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くらしのちえ

良いものは作り手の知恵が詰まっています。選んだもので暮らしはつくられます。そんな暮らしの一部を紹介します。

ポートランドで考えた、買い物が作り手・売り手(企業)を選別するということ

あなたは、どんな作り手・売り手からものを買いたいですか?

 

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数年前にはじめてポートランド(オレゴン州、アメリカ)に行った。ポートランドは全米の住みたい街ランキングの上位に常に入る町である。ポートランドに滞在して、現地のスーパーマーケットをめぐり、現地在住のアメリカ人との会話なかで消費について考えた。それが「買い物が作り手・売り手を選別することになる」ということだ。

 

 

Whole Foods Marketで見つけた多種多様なビール

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ポートランドでは、Whole Foods Marketというスーパーマーケットによく行った。ここでは、オーガニックなど健康によいと言われる食材が、アメリカンなボリュームで買うことができるお店で、見ていて飽きない。

www.wholefoodsmarket.com

 

特にビールコーナーは圧巻だった。100種類以上ものビールが売られていた。半分以上はローカルブリュワリーが生産したクラフトビールだ。ポートランドは、クラフトビールのメッカなのである。

 

なぜ、これだけたくさんのビールメーカーが存続できているのであろうか、疑問に思った。日本では大手4社が市場のほとんどを占有している。もちろんアメリカでも、アンハイザー・ブッシュ・インベブのバドワイザーなど、大手企業が市場の大半を占めているが、そのなかでクラフトビールが急成長を遂げていた。

 

一つには作り手がたくさん生まれやすいという背景があるだろう。 アメリカでは個人で消費するためにビールをDIYすることは合法である。日本では、自家消費であってもアルコール飲料を生産することは、酒税法違反になる。そのため、自分でクラフトビールを作ろうとする意思は通常は生まれない。しかし、アメリカでは趣味でビールを作っていた人が美味しいビールを作り出し、それが評判を呼んで企業化するという自然な起業の道筋がある。こうした、生産者サイドの環境条件の違いは大きな影響がある。しかし、それだけなのだろうか。

 

ポートランド在住のアメリカ人との会話

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ポートランド滞在中、Airbnbも利用した。そこでホストである現地のアメリカ人と会話で現地の消費スタイルを知ることが出来た。

 

そのホストの方は、地元のスーパーで買物をする時、大手ナショナルブランドとローカルメーカーの商品が売られていた場合には、ローカルメーカーをあえて選ぶとのこと。なぜなら、ローカルメーカーの商品は、大手ブランドとは違い地元の食材や原料を使って手間ひまかけて生産している場合が多く、その商品を買うことで、その企業を応援することになるから。買い物を通じて、地域のコミュニティーに貢献することになるからだと強く信じていた。

 

このような消費スタイルが、多様なクラフトビールメーカーが生まれて存続できている理由だとわかった。地元の人達が作ったものを買うことで、良品を作る人達を応援することになると考えていたのである。企業にとっては、小さな一人の顧客でしかないかもしれない。しかし、少なからずの消費者がそういった消費スタイルを取っていれば、その企業は存続できるのだろう。

 

買い手側が作り手・売り手を選別していること

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個人の消費が、個人の生活を作る。もちろんそうだ、食べるもの、使うもので日々の生活が形作られるからである。しかし、私達消費者が買い物を通じて個人の生活を作り出していること以上に、地域や社会に対しても影響を与えている。それが、作り手・売り手を選別するということである。私達の身の回りにある作り手・売り手(企業)は選別された結果なのである。

 

地方に行って、現地のものを買いたいと思っても、全国何処にでもあるコンビニやスーパー、衣料品店などフランチャイズ展開をしているお店が地方の消費の中心となっていて、現地のものを買うことが難しい場合がある。レストランでもそうだ。何処に行っても同じ品質、同じ価格の「同じもの」が味わえるチェーン店のファミレス、ファーストフードにあふれている。私個人としては、せっかく地方に行っても、こんな状況ではつまらないと思う。しかし、それは、地方の人達が買い物をつうじて、作り手・売り手の選別を行った結果なのである。

 

ただし、普段の買い物には、自分の感覚で選んだのではなく、広告や他者からの影響で流されて買ってしまっているものも、少なからず含まれているように思う。何を選んだらいいかわからないから、CMで聞いたことがあるものを買う、みんなが持っているものを買う。そうした消費スタイルが主流であれば、CMを打ち露出できるだけの販促費を持って、日本全国に販売チャネルを持つ大手企業が自然に選ばれてしまうことになる。もちろん、大手企業でもいいものを作る企業は多い。しかし、それでは、資本力の乏しく露出の少ない新規参入の企業や地元の企業は淘汰されることになってしまい、いいものを作り合うことで競争しあうという自然の企業競争がなくなってしまうことにつながるのではないだろうか。

 

自分たちの消費が、その地域経済や社会を作っているという意識を持っている消費者はそれほど多くはないと思う。しかし、自分の買い物は、企業を応援することにつながり、ひいてはその企業が存続できるか否かの票を握っていると考えてみるといい。そのとき、自分はどの企業に票を投じ、頑張って存続してもらいたいと応援するのだろうか。

 

きちんとした作り手・売り手であることを知るためには、少しだけ調べたり勉強したりする必要はある。特に、CMなどで露出がすくない新興企業や地元企業は情報を得るのに手間がかかるかもしれない。しかし、このように個人個人が自分の感覚にマッチする作り手・売り手(企業)から買物をするようになれば、もっと多様な作り手・売り手(企業)が生まれ、多様な選択肢がある社会になるように思えてならない。

 

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関連図書

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 また、ポートランドを旅するときには、現地のお店を知るのにとても参考になったのは下記の2冊。丁寧に取材をしており、デザインも美しい。掲載されているお店の人も下記の2冊を持っていて、とても美しいデザインだといっていた。

TRUE PORTLAND -The unofficial guide for creative people- 創造都市ポートランドガイド Annual 2015

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