くらしのちえ

良いものは作り手の知恵が詰まっています。選んだもので暮らしはつくられます。そんな暮らしの一部を紹介します。

東京・下北沢の新しい文化発信地 本屋 B&B(Book&Beer)

本屋 B&B(Book&Beer)の楽しみ方

 

 

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定時退社して、本屋へ向かう。本屋でドリンクを飲みながら、いま読んでいる本の作者からお話を聞き、直接質問ができる。

こんな楽しみができる本屋さんがあるのです。

 

それは、東京・下北沢にある、B&Bという本屋さん。

bookandbeer.com

この本屋さんでは、

・様々な本の著者が講演者となって、毎日必ずだれかしらの講演会イベントがある。

・飲み物を手に持って、本を読むことができる。講演会中も飲み物片手に話を聞ける。

・読み捨てしたくない、こだわりのセレクト本を取り揃えている。

 

といういままでにないタイプの本屋さん。もはや本屋という枠には収まらないことをやっています。

ホームページの紹介文がお店の興味深いコンセプトを表現しています。

 

B&Bは「これからの街の本屋」を目指します。
 
本には「知」や「エンターテインメント」、
大袈裟にいえば「人生のすべて」があります。
それは素晴らしい「無駄」に満ちあふれています。
 
そんな本との「偶然の出会い」を
街ゆく人の日常の中に生み出すべく手を尽くすこと。
それが「街の本屋」の役割だと、私たちは考えています。
 
待ち合わせのついでに、せつない恋を描く小説に出会う、
買い物の帰りに、宇宙の仕組みをひも解く本に出会う……。
そんな出会いを提供する「場」になりたいと思います。
 
また、私たちは作家との語らい、
本好き達の集い、
読書の時間を楽しくする雑貨など
「本」の世界につながる
さまざまなサービスも提供していきます。
 
検索すれば見つかるネット書店とも、
すべてを網羅する大型書店とも違う、
ちょっとした時間に、知らない世界と繋がる「場」。
「無駄」たっぷりのセレクトで、
皆さんにたくさんの「偶然の出会い」をお届けしたいと思います。
 
どうぞ、ビール片手にお楽しみください。

(本屋B&B ホームページより)

 下北沢は、演劇の劇場や音楽のライブがあり若者が集う街として有名ですが、B&Bは新しい形の文化発信地として活躍しています。

 

普段は面白い本をセレクトしている本屋として営業していますが、仕事が終わるだいたい20時〜22時の2時間でイベントが始まります。イベントへの参加料は、ワンドリンク付き2000円のお値段です。

ドリンクは、book&beerという名前の通りビールやワインなどのアルコール、コーヒー、紅茶、ソフトドリンクが選べます。

受付を済ませてドリンクを受け取り、ドリンクを飲みながら椅子に座ってお話を聞きます。観客は人気の講演会で多くても30〜40人程度、少ないときは10人ほど。小規模で、アットホームな空間でお話を聞くことができます。途中トイレ休憩があったりしますので、ドリンクを追加で注文したりできます。ドリンクのお値段は500円です。 

 

これまで私が参加したイベントは、伊藤まさこさん、スープストックを運営しているスマイルズの遠山正道さん、中川政七商店の中川淳さん、『北欧、暮らしの道具店』の青木耕平さん、ミシマ社の三島邦弘さん、孤独のグルメの原作者久住昌之さん、サラリーマンNEOやあまちゃんの演出を担当したNHKの吉田照幸さんなどなど。メディアを通じて知っていたけれど、どんな人なのか気になっていた方のお話をこれまで聞いてきました。

 

この本屋B&Bの楽しみ方をお伝えしたいと思います。

 

peatixまたはPassMarketで、B&Bを登録すべし

参加申し込みはpeatixまたはPassMarket経由となります。

passmarket.yahoo.co.jp

peatix.com

B&Bのメールを受け取る登録設定をしておくと新しいイベントが決まったらその都度メールで送られてくるので便利です。ホームページでいちいち確認する必要はありません。人気の講演者はすぐに席が埋まってしまうようなので、普段からメールを確認して興味のアンテナに引っかかる人がお話されるイベントなら、すぐに申し込みするといいと思います。

 

自分一人で聞きに行くのでもいいですし、これに興味を持っているだろう人を、誘って行くもの面白いです。

私の場合は、多分これに興味ありそうだなというのが頭に浮かぶようなら、すぐにその人の分も合わせて申し込みします。

そして「チケットあるけど、興味ある?」なんて誘います。普段なかなか会えない友人とこうした機会に会うことは楽しいことであります。イベント後、同じ内容を聞いてお互い考えたことをシェアする時間は何よりも代えがたい時間となるでしょう。

もちろん相手の予定が合わないこともありますが、あとで申し込むと席が埋まってしまう可能性があるので、損しても私は先に買っちゃいます。

もし、予定が合わなければ、他の人で興味ありそうな人にあげたり、だれも来れなくて一人で行くだけと割り切れば安いものです。ただし、キャンセルができないので、ご注意を。

 

作者の人柄を知る 

イベントの講演者は、多くの場合は本を執筆した作者。テレビで出演するような著名人であれば、その人柄が映像を通じてわかるのですが、テレビにあまり出ない方で、本を通じて知っている場合はその人柄や人間関係、本の作成秘話などはわからないもの。B&Bのイベントに参加する最大の意義は、気軽に作者の人柄を知れることではないでしょうか。

 

例えば伊藤まさこさんのイベントは、ニューヨークのレシピ本を作成するための、ニューヨークへ訪れた話でした。

ニューヨークレシピブック NEW YORK RECIPE BOOK:朝ごはんからおやつまで。いま食べたいNYのレシピ60

ニューヨークレシピブック NEW YORK RECIPE BOOK:朝ごはんからおやつまで。いま食べたいNYのレシピ60

 

 写真を見ると、とてもおしゃれで優雅な朝食を取っているように見えますが、実際には1日で数多くのお店を回るために、お腹がはち切れるぐらい食べて、ニューヨークを駆け巡る慌ただしく忙しい旅だったとのこと。本だけみると素敵な写真・文章だという感想になるのですが、そうした制作秘話も含めて読むとより面白く読めます。紹介しているレストランの中で、Russ&Daughtersというお店でとても良かったという話も、結局どのお店が一番良かったのさといった本音が聞けたようでNYに行ったらここに行こうと思えて、オトクな気分でした。

http://russanddaughters.com/

 

あるいは、スマイルズの遠山正道さんの「やりたいことをやるというビジネスモデル」というイベントでは、遠山さんの生い立ち、三菱商事から独立したときの話、個展を開いた時の話、コンセプトのつくりかた、社員の登用の考え方(結局やる気のある人に仕事の機会を与える)などなど、本に書かれないような話がたくさん出てきました。

やりたいことをやるというビジネスモデル―PASS THE BATONの軌跡

やりたいことをやるというビジネスモデル―PASS THE BATONの軌跡

 

 

また、当日は、中川政七商店の中川淳さんと対談する形式でした。お目当ての作者以外の関係のある友人などと対談する形式が多いので、ついでに(といっては失礼ですが)新たな人に興味が生まれるきっかけとなります。

・遠山さんと中川さんが友人関係だったのか。お話で出ててくる様々な方との交友関係が知れる。

・遠山さんの人当たり、すごくいいなあ。自分のことが大好きなタイプかなと思ったけれど、ちゃんと話を聞いてくれる方なんだな。友だちになったら楽しそうだな。

・中川政七商店は麻の布を用いたお侍さんの肩パット(裃:かみしも)からビジネスが始まった。裃をだれが作っていたかなんて気にしたこともなかったけれど、今をときめく中川政七商店がその昔作っていたのか。

・中川政七商店「日本の工芸を元気にする!」というコンセプトは、コンサルの依頼を受けているうちに生まれたコンセプトだったのか。

 

さらに、サラリーマンNEOやあまちゃんの演出を担当したNHKの吉田照幸さんのイベントでは、実は事前に存じ上げておらず、イベントのタイトル(「“おもしろい仕事”をしている人は、いつも何を考えているのか」)だけみて申し込み、当日早めに会場についてその場で本を買ってざっくり読んでイベントに参加したのです。

「おもしろい人」の会話の公式 気のきいた一言がパッと出てくる!

「おもしろい人」の会話の公式 気のきいた一言がパッと出てくる!

 

・吉田さんは、芸人さん並みに面白い発言をするというタイプではなく、相手をじっとみる、話をじっくり聞いて自分の言葉を発言する。相手の目を見て何を言おうとしているのか、その背後の考えを身体全身で受け取ろうとする姿勢が好感触だな。

・吉田さんはお酒が飲めない。その分、飲み会のときにでも冷静に人の話を聞いている。講演者もドリンクをのみながら話すので、お酒飲めない人は飲めないんですよという話からだいたいイベントが始まる。

・瞑想を取り入れて、イライラを解消しているのだとか。瞑想でだいぶ人格が変わったとのこと。そんなにイライラする方には見えなかったけれど、すごく気を使うタイプだろうから、気持ちを落ち着かせる必要があるのだろうな。

 

などなど、その日に感じたことは、本を読むだけではうかがい知れず、行ってよかったなあと思えるような発見ばかりでした。

質問を準備しよう

当日は質問の時間があります。誰もが最初の質問にためらいを感じて、質問が出ないことが多いです。誰もが手を挙げない中で手を上げて発言するのは勇気のいることかもしれませんが、事前にちょっと準備すればいいこと。発言によって成績をつけられるようなことはもちろんありませんし、自分の聞きたいことを聞けるということはチャンスではありませんか!?

さらに、イベント終了後に、名刺交換が始まる場合があります。時間が差し迫っていると、こうした名刺交換の時間がない場合があるので、注意が必要ですが、大勢の前で質問するのがはばかられるような場合は、直接一対一で聞くこともできるでしょう。

 

こんな風に、本屋B&Bでは、ビールを飲みながら気軽に今読んでいる本の作者からお話を聞き、その人柄を知れ、質問もできるのです。B&Bのコンセプトは、トーキョーの新しい文化発信の形態だと思いませんか。興味がある作者さんのイベントに、一度訪問して訪問してみてはいかがでしょうか。

 

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