くらしのちえ

良いものは作り手の知恵が詰まっています。選んだもので暮らしはつくられます。そんな暮らしの一部を紹介します。

与えてばかりの人(ギバー)が成功するためには

ギブ&テイク。何かを与えたら、何かを貰う。何かを貰ったら、何かを与える。こんなお互いのやり取りのことをいいます。

人間関係では、ギブ&テイクのバランスを取る人(マッチャー)ばかりではなく、与えてばかりの他人中心的な人(ギバー)と、受け取ってばかりの自分中心的な人(テイカー)もいます。

この3人では、誰が最も成功するタイプなのでしょうか。

 

『GIVE&TAKE 「与える人」こそ成功する時代』では、まさにこの疑問に答えてくれています。

GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代 (単行本)

GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代 (単行本)

 

 

最も成功するタイプは?

本書で示された研究によると先程の3つのタイプのうち、もっとも成功から遠いのはギバーであるそうです。ギバーは与えてばかりでいつも割りを食っているのです。自分の成功を犠牲にして、相手の利益を優先しているからです。

 

例えば、カリフォルニア州の160名のエンジニアがどれくらい協力的か、そしてその人がどの程度成功しているかを調査した結果、エンジニアリングの世界では、最も生産性が低く、効率が悪く、成功していないエンジニアはギバーなのだそうです。他の人の仕事を手伝っているせいで、自分の仕事が終わらないのです。

 

では、最も成功するのはどのタイプなのでしょうか。受け取るばかりのテイカーか、それともバランスをとるマッチャーなのでしょうか。

 

実は、正解はギバー。先のエンジニアの調査で業績の質・量どちらも最高点を出した人はギバーでした。受け取るよりも多くを同僚に与える人だったのです。

 

最も成功する人と最も成功しない人がギバーであるのです。では、その差が何処に生まれるのでしょうか。

 

ギバーが成功するためには?

本書では、ギバーが成功するためには「リコネクト(再びつながる)」が鍵になるといいます。

 

小さな親切を繰り返していくと、親切がいろいろな人に積み重なっていきます。あの人があの時、こんな親切をしてくれたというのは、覚えているものです。自分が覚えていなくても、本当に困ったときに、助けてくれたことは記憶に刻まれます。だから、親しい人とあった時、新しい人とあった時、今取り組んでいることを聞いたり、何か力になれることはあるかを聞いて、積極的に助けてあげて新しいつながりを作っていくべきなのです。

 

本書では、「5分間もあればできる親切を、”誰にでも”喜んでしてあげるべきなのです」という言葉が紹介されています。時間の与え過ぎも良くないので、自分のできる範囲内での親切、例えばたった五分の親切でも、損得勘定なく誰に対しても人々の心に残るようなことをしてあげる事が必要なのです。損得勘定があると、人は構えてしまうからです。

 

そして、いろいろな人とのつながりがたくさんできた時、成功できなかった人とできた人の違いは、再びつながる(リコネクト)かどうかの違いなのだそうです。再びつながらないと、その親切が戻ってくることはないのです。

 

これまで関わった人たちと再度つながるようにしておける道筋を残しておくこと。自分が助けてほしい状況を発信すれば、その困りごとに対して助けてくれる人たちがでてくることでしょう。 また、具体的な助けてもらいたいことがなくても、ちょっと挨拶をしたりする、近況報告をするその中でお互い協力できる事があるか話す。そんな会話から次の機会の芽が生まれます。

 

また、親切をするにしても「自分にとって意義のあることをする」「自分が楽しめることをする」そうすることで、自分にも与える事ができます。そうした、与え方を意識して、沢山の人に親切にする。しかし直接的な見返りは求めません。それでも、親切にしてきた人と、おりを見て再びつながること(リコネクト)によって、なにか次のチャンスの芽があるかもしれないのです。

 

本書は、これ以外にも、どのようなギブの仕方をしていくべきかなど、具体例とともに解説があり、読んでてとても飽きない本でした。ギブアンドテイクという簡単な概念でここまで深くしかもわかりやすく解説ができるのだと感嘆させられました。

 

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