くらしのちえ

良いものは作り手の知恵が詰まっています。選んだもので暮らしはつくられます。そんな暮らしの一部を紹介します。

極端な使い方をしている人に発想の源あり

エクストリームユーザという考え方があります。何か、商品を開発する時にユーザー調査をします。このとき、一般的な人を代表するような人に調査をするのではなく、極端な使い方をする「エキストリームユーザー」に、メーカーが考えていなかった新しい商品のネタがあるのです。

 

半径3メートルの「行動観察」から大ヒットを生む方法 (SB新書)

半径3メートルの「行動観察」から大ヒットを生む方法 (SB新書)

 

 

本書は、様々な商品について、どんなマーケティング調査を行ったかを具体的に書かれていて、読んでいてなるほどと思う事例が多いのが特徴です。極端な使い方をしている人は新しい商品開発のネタの宝庫なのだそうです。

 

そして、だれを行動観察をするかという時に出てくるキーワードが、「エクストリームユーザー」というものです。

 

この本で紹介されているのは、

・メニュー専用調味料を本のように並べる人

・洗濯用柔軟剤を10種類使い分ける人

という事例が出されています。

 

 

麻婆豆腐や回鍋肉など、メニュー専用調味料を本棚のように並べる消費者を見ると、こんな風に使ってくれたら、メーカーにとってはたくさん家でストックしてくれるので嬉しい消費者のはず。そんな消費者がいっぱい増えるように、本棚のように並べたら、楽しい図柄ができるとか、何か工夫するうきっかけが得られるのです。

 

また、柔軟剤を使い分けている人は、匂いを香水でつけると高くつくけれど、柔軟剤なら安い。数百円で済みます。柔軟剤を気分に分けて使い分けることで、その気分に応じた匂いが楽しめるということで使い分けをしていたようです。そういうユーザーを見つけたらメーカーとしては、「柔軟剤は衣類を柔らかくするためにあるのではなく、高価な香水の代わりにいろいろな香りを楽しみたい」という人向けのこれまでとは違った商品を作る発想源となります。

 

こんな風に、極端な使い方をしている人をある家電メーカーではN1というそうです。Nというのは、numberの略で、データの個数をさします。N=100と100人分のデータのこと。しかし、極端な使い方をしている人は一人しかいないかもしれない。だからN=1になるのですが、積極的にこの人を探すようになってきているようです。

 

あなたの身の回りに、面白い商品の使い方をしている人がいたら、発想のチャンスです。その商品をもっと魅力的にするビジネスチャンスがあるかもしれません。

 

ただし、「エクストリームユーザー」に着目する上で注意点があります。一人しか思いつかなかった極端な使い方をしている人を探して、それを商品化しさえすればいいのでしょうか。もし、その人しか欲しないものを作ってしまえば、その人しか売れません。そのため、その人がやっている極端な使い方、そこから発想を得て、次の時代にこの人がやっていることが流行りそうという視点を付け加えることが必要になります。この時代の読み間違えると、大変です。作ったけれど全然売れないにならないような、大きなトレンドをつかむことが求められるので、ミクロマクロ的な視点が必要です。

 

 

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