くらしのちえ

良いものは作り手の知恵が詰まっています。選んだもので暮らしはつくられます。そんな暮らしの一部を紹介します。

自由に抹茶を点てれば、楽しく美味しく味わえる

茶の湯。日本の侘び寂びを愛でる思想、価値観に影響を与え、さらに日本食、建築、陶器など様々な日本の生活実態にも深い影響を及ぼしています。たかがと言っては失礼ですが、茶を飲むということに、ここまで精神性を与えた先人の感性を知れば知るほどに面白いなあと思います。

(ちなみに2017年6月4日まで東京国立博物館で茶の湯の特別展が開催されています。)

東京国立博物館 - 展示 日本の考古・特別展(平成館) 特別展「茶の湯」

 

しかし、いざ実生活に茶の湯を持ち込み、抹茶を点てて飲もうと思ったとします。その時、着物を着て、茶碗を回し、ちょっと距離を置きたくなるような手続きや作法があることを想像してしまいます。もちろん、その一つ一つに理由があって手続き、作法があるのは分かりますが、それらを全部知り、その通りにしないと抹茶を飲めないとしたらあまりに窮屈すぎる。

 

しかし、よくよく考えてみれば、抹茶を点てること、その本質は茶を飲むという人間が生活の中で行う気軽で日常的な習慣のはずです。日本人の生活の一部として、もっと日常的に気軽に楽しんでもいいもののはず。同じ嗜好品のコーヒーを飲むときに、作法に則らなければ、飲んではならないとしたら、こんなに面倒な事はありません。 

  

そもそも、喫茶の習慣が日本に入ってきたその理由も、僧侶たちの間でお茶を飲むと眼が覚めるとか、健康的になるという、極めて人間の生理的な欲求を満たすために入り込んできたのです。当たり前ですが、僧侶といえども眠くなり、それを予防するために茶を飲みたかったのです。

 

さてそこで、自由に抹茶を点ててみようと思いたちました。家庭で自分が楽しむのであれば、簡単です。作法は省略し、自分のやりたいようにやればいい。誰かが作ったルールに縛られなければ、とても楽しい時間が過ごせました。

 

用意するもの

抹茶を飲みたいと思った時、最低限用意すべきものは、抹茶だけです。あとは、家庭にあるものでだいたい、代用できます。

さらに言えば、自宅に緑茶があれば、これを粉にして代用ということもできなくはないと思います。しかし、そこまでやるのはちょっと面倒に感じたので今回は素直に抹茶を購入しました。

 

一保堂茶舗 抹茶 幾世の昔40g缶

一保堂茶舗 抹茶 幾世の昔40g缶

 

 

そして、抹茶を混ぜる茶せんは、あったら便利なものです。しかし、茶せんがなくても、スプーンや箸などでシャカシャカと混ぜれば、抹茶を飲むことは可能でしょう。抹茶がお湯によく混ざれば、おいしく飲めるのです。

 

ただ、あのシャカシャカはとても楽しそうだから、ぜひやってみたいところ。そこで、茶せんも購入しました。

 

茶せんは中国製であればとても安く購入できます。お手軽にやるのであれば中国製で十分でしょう。 

 

ただ、茶せんについて調べると、奈良県生駒市高山が茶せんの生産ナンバーワンなのだそうです。その作り方を見ると職人さんが一個一個竹を割り、形を整える作業をしています。未だに、茶せん産業が、日本にはあるのです。そんな日本の職人さんを応援する意味でも、値段は高くなりますが、今回日本の高山茶筌を購入しました。

 

高山茶筅 数穂 日本製

高山茶筅 数穂 日本製

 

 

 ちなみに、普通は「筅」という竹かんむりに、先という字を使うのですが、高山では茶「筌」という竹かんむりに全という字なのだそうです。高山茶筌というブランドがあるそうです。

 

今回購入した抹茶と茶せんがこれです。それ以外は自宅にあるもので済ませます。

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楽しみ方

茶碗に抹茶を入れます。そこに、お湯を注ぎ混ぜます。ただ、それだけのことです。

抹茶やお湯の分量は一回やってみれば、濃いなとか、薄いなとか、すぐに分かります。誰かから決められたレシピに従う必要は全くありません。だって、自分が楽しみで飲むだけだから。

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せっかくなのでお茶菓子を用意しました。グリンピースを潰した餡と白玉です。

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 さて、できました。

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お菓子も美味しくできました。

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この時使った茶碗は径が10センチほどしかなく、茶せんのサイズと同じくらいでやや点てにくかったので、次に飯茶碗用に持っていた白磁茶碗を取り出して点ててみました。

白磁と緑はよく映えて美しいです。

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もっと自由に楽しんで良い抹茶

抹茶は、抽出するお茶と違って、茶葉そのままを味わうので茶葉のクオリティがダイレクトに味に影響します。今回は、一保堂茶舗のものを使いました。

 

一保堂茶舗 抹茶 幾世の昔40g缶

一保堂茶舗 抹茶 幾世の昔40g缶

 

 

そして、やはり、一度味わい出すと人間ハマってくるものです。良い道具が欲しくなります。お茶、茶碗、茶せん、茶しゃく、茶壺など、茶道具がコレだけ進化したのも、うなずけるものです。

 

その作法や方法を頭で学んで実践するというのが一般的な味わい方の抹茶。しかし、先に自由に抹茶を点てて飲んでみて、感じるところがあって、いろいろな作法、手続きを学んでみるという順序でやるほうが、なんだか身にあっているように感じました。例えば、コーヒーがその作法や歴史を知らないと飲めませんと言われたら、私はちょっと面倒になってしまいます。別にいろいろなことを知らなくたって先に味わって、感じるところがあれば、深めていけばいいのです。そして、深めていけば、さまざまな多岐にわたる背景がありますので、長い時間楽しめる趣味として最適ではないでしょうか。

 

朝30分早く起きて、抹茶を点てると一日がとても楽しいものになる予感がしていい気分です。抹茶を立てるときの手を動かすことでちょっとした運動にもなります。そして、抹茶を飲むとスッキリと目が覚めます。

 

自由に抹茶をたてると、もっともっと楽しく美味しく味わえる抹茶の可能性と奥深さを知ることができるでしょう。

 

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