くらしのちえ

良いものは作り手の知恵が詰まっています。選んだもので暮らしはつくられます。そんな暮らしの一部を紹介します。

【東京駅のお土産】ごまたまごをより美味しくする、あまり知られざる開発秘話のお話

東京駅のキオスクなどで売っている東京お土産、「銀座たまや」のごまたまご。東京駅に行ったことがある人なら一度は見たことや買ったことがある人が多いと思います。

東京のお土産なら銀座たまや

このごまたまごにあまり知られざる開発秘話があったのはご存じでしょうか。

ごまたまご開発秘話を調べると、興味深いことがわかりました。

 

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ごまたまごを作った会社は実は・・

ごまたまごを作った会社をご存じでしょうか。2001年に設立された株式会社東京玉子本舗という会社がごまたまごを製造しています。この会社のことを知っている方はあまりいらっしゃらないと思います。実はこの会社、ある地方の有名なお菓子を作る会社と深い関係にあるのです。

 

この会社のことをお話する前にパッケージやごまたまごの商品を見てみましょう。

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8個入り、720円(税込み)です。

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中身を取り出してみました。ホワイトチョコでコーティングされた、たまごのようなころんとしたかたち。

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中には黒ごまペーストと黒ごまあんが入っています。

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このごまたまご、岩手県の銘菓「かもめの玉子」にそっくりなのです。

いわての銘菓「かもめの玉子」 | さいとう製菓

東京玉子本舗が「かもめの玉子」を真似したのかと、「かもめの玉子」を知っている人は思うかもしれません。

 

実は、さいとう製菓が東京玉子本舗を作ったのです。

 

東京玉子本舗の社長は、齊藤俊満さん。

「かもめの玉子」のさいとう製菓の社長は齊藤俊満さん。

そう、同じ人が社長なのです。

ではなぜ、「かもめの玉子」ではなく「ごまたまご」を販売したのでしょうか。

 

かもめの玉子を東京で売るために作った会社が東京玉子本舗

その理由を調べてみました。幾つかのサイトで、「かもめの玉子」と「ごまたまご」が似ていることを紹介していたり、その経緯を説明するものがあるのですが、情報源を記載していなくて本当かどうか判断できませんでした。会社の公式サイトにはもちろん情報は載っていません。

 

そこでさらに、ちゃんと調べてみると行き着いたのは、岩手県議会の委員会でさいとう製菓の社長が講演をした議事録です。(岩手県議会 平成26年8月産業・観光振興調査特別委員会)これは、公式なものなので確かな情報源です。

ここでは、さいとう製菓の震災時のお話が主に語られるのですが、最後にごまたまごのお話も少しでてきます。

 

もともとは、「かもめの玉子」を売ろうと支店を作ったそうですが、羽田空港で売ろうとした場合は、地方のお菓子は扱わないということで断られたんだとか。それならば、東京名物の新商品を作ろうということしたそうです。

平成12年にかもめの玉子を売るための拠点として、東京支店をつくったわけです。前は新幹線を使ってセールスしておったのですが、東京支店というのは、大体が県産品を扱う問屋さんになるのです。それを直接売ろうということで、羽田空港に売り込みに行ったわけです。しかし、全日空だとかああいう空港のビルの直営の店では、東京の名店というふうな位置づけだから地方のお菓子は一切扱わないということで断られました。

断られたときから、では東京名物で新商品開発をやろうと、すぐ始まったわけです。

断られたときから
、では東京名物で新商品開発をやろうと、すぐ始まったわけです。
断られたときから
、では東京名物で新商品開発をやろうと、すぐ始まったわけです。

 

それで、東京ばな奈のデザインをした方にパッケージデザインをお願いすると、「東京たまらん」と「ごまたまご」の2つのアイデアが出てきました。最終的には社長が判断するのですが、わかりやすい「ごまたまご」を選択しました。

東京たまらんというのは、レトロ調ですごくいいデザインだった。みんな、東京たまらんだということでした。最終的に私に決定してくださいといわれました。私は1人ごまたまごでした。なぜかというと、東京たまらんは確かにデザインはいいのだけれども、ではお菓子を誰か考えていたかというと、誰も考えていないのです。東京たまらんといったらどういう玉子といったら誰もわかりません。ごまたまごならそのとおりですから。

 おなしの中身よりも、先にパッケージをデザインしたのですね。そういう風にお土産って開発されるんですね、興味深い。「東京たまらん」になったら、どんなお菓子になっていたのでしょうか、それもちょっと見てみたかった。

 

ごまたまごは、ごまのお菓子が受けていたので売れるだろうということで選択されました。それからの開発に当たっては、 デザインを担当してくれたデザイン室の専務の女性の方がダメ出しをたくさんして、悩んで悩んで、中にゴマペーストを入れるというアイデアが出たそうです。そうすることで、モソモソとした食感が滑らかになったとか。

 

売り出すのに、通勤客が多い丸の内北口で販売して30万個売れたらキオスクで扱ってくれるようになるというテストマーケティングが行われました。通勤客が殆どの中、新しいお菓子は買ってくれません。そこで、1万個はただで配ったそうです。それで味が良いということが評判になって、たくさん売れて、晴れてキオスクで販売できるようになったとか。そんな大変な思いをして売り出して、現在の東京駅での販売状況になっているのですね。

 

こんな面白い開発秘話は、さいとう製菓や東京玉子本舗の公式サイトには出てきません。この2つの会社が同じということは、東京土産として売る際にデメリットになってしまうと考えて、あまり出さないでいるのでしょう。

 

でも、これだけ東京名物として売れている歴史も出来てきたので、こんな話も出してもいいのではと思いました。あまり情報が出ていないのですが、消費者が知れば、むしろなるほど!そういう開発秘話があったのかということで、もっと興味持ってくれるだろうにとも思います。

 

モスグリーンごまたまご

こんな面白い話を聞いた後にいただくごまたまごは格別な美味しさです。そのまま食べてももちろん美味しいのです。でも、1つそのまま食べた後、せっかくなのでちょっと手を加えて遊んでみました。

 抹茶をふりかけて食べてみることに。

f:id:kurashi_chie:20170902162423j:imagef:id:kurashi_chie:20170902162437j:imagef:id:kurashi_chie:20170902162444j:image 抹茶とごまをあわせてみるとこれはこれで美味しかったです。お客さんがきたときに、パッケージごとお出しするのもいいですが、お皿に盛って、ただ抹茶をかけるだけで、気の利いたお菓子になったのではないでしょうか。そして、ごまたまごの開発秘話のトリビアをお話したら、そうなの!?知らなかった!となること請け合いです。なかなか、面白く美味しい時間が過ごせるのではないでしょうか。

  

さて、ごまたまご。アマゾンでも売っているのですが、定価よりも高いです。ちょっと驚きのお値段です。 

東京たまご ごまたまご 12個入 おみやげ

東京たまご ごまたまご 12個入 おみやげ

 

お値段関係なければ、手軽さなどでみると、アマゾン購入はとても便利ですが、お値段で見ればアマゾンで買うよりも、東京駅、品川駅、羽田空港など、お土産屋さんで買ってお渡しするような買い方がいいでしょうね。あるいは、オンラインショップなら定価で買えます。

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名物のおみやげの歴史は、面白いですね。老舗の歴史ももちろん面白いですが、近年急速に普及したお菓子も面白い。どこかで誰かが仕掛けている部分があるので、そのストーリーは面白いです。そういう意味で、ごまたまごはあまり情報がないので、知ってるともっと美味しく食べられるお話なのではないでしょうか。

 

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