4日目(1月1日):香港の赤(四川料理)、白(お粥)、六福、満月。縁起担ぎの言葉で迎えるお正月。
1日目
2日目
3日目。
4日目のスタートです。
お粥の朝でスタート
香港の朝はお粥でスタートです。一年前にお粥の美味しさに目覚めたお店です。
疲れて、ふと立ち止まった場所。あまりにも店内でおいしそうにお粥をたべている人がいるので、テイクアウトで購入。あまりにもアツアツだったので、これは、ここで一口食べてみようよ、と言って一口食べたところ。お粥!!!おいしい。開眼の瞬間です。そこから香港熱が上がる加速度アップ。帰国後もお粥をせっせと作りチャレンジしました。ああ懐かしい1年半前。
店内でいただくのは初めて。この並々と盛られたお粥。
店内の活気を感じながら白粥を注文。最高の熱々は何よりのご馳走。真っ白なお粥からもくもくと上がる湯気を見ているだけで温まります。最後まで冷めないお粥に感心しながら完食。胃の中から温まります。
お粥。老いも若きも、男性も女性も、裕福そうな人も、近所の人も、関係なく誰もがこの素朴な店に入ってもくもくと食べて出て行く。行き着く場所は米なのか。
裕福な人の胃袋を休め、腹ペコのお腹を満たし、観光客をも虜にする。不思議な奥深さ。
弾力のあるすり身揚げも戴きました。揚げたて出来たて。
店を出て、九龍醤油に向かいます。が、残念ながら本日はお休み。腐乳が欲しかったのですが、またの機会とします。鍋物の薬味として気に入って使っているので、また次回の楽しみにしよう。
ぶらぶらと歩きながら水道管の破裂で水浸しになった道路に出合いました。
慌てていない香港人。なんとかなるかの精神でしょうか。
途中、乾物屋さんで黒砂糖と干しエビとホタテを購入。スモールポーションで購入できて良かった。干しエビとホタテは自家製XO醤を作ろうと思って購入しました。黒砂糖は中華風カステラにしようかな。茶色いツボから出てきた黒砂糖はなんとも魅力的でした。
フェリーで香港島から九龍島へ移動
その後、街をあるきながら、フェリー乗り場へ向かいます。
フェリーもオクトパスカードで乗車ができて便利です。たった3.7ドル(約50円)、約5分の船旅です。
地下鉄やバスだと陸地続きのように思ってしまいますが、船でゆっくりと渡るとまた風情があります。船のレトロな質感を楽しみながらの移動です。
素敵な制服の乗務員さん。
木製のベンチ。窓枠。内装に味があります。
スピードを追わず、船でのんびり移動も体験するのも楽しいものです。
2階建てバスとミニバスで西貢へ移動
フェリーから降りて、 目指すは西貢。港町で六福というレストランを目指します。ちょうど日本の元日に当たる日。六福という何とも縁起のよい名前に引き寄せられて。
2階建てバスの2階先頭に乗りスリルを楽しみ、20分ほど進んだあとは、ミニバスに乗り替えます。たった8.9ドル(約130円)で、1時間弱のバス旅です。
ミニバスで山を越えながら自然の豊かな道路を進んで約40分ほど。潮風のあたる西貢に到着です。休日で多くの観光客で賑やかな町。みな思い思いに海の幸を豪快に楽しんでいます。そんな風景を楽しみながら、六福菜館へ向かいます。
ここはどこ?日本ではないけれど。と思えるような風景。潮風が気持ちいい。
西貢の海鮮レストラン「六福菜館」へ
清潔感ある店内はほぼ満席。登山の帰り道、家族との食事、友人との食事と使い方は様々。プーアル茶を飲みながら、ゆっくりとメニューを選びます。魚のスープ、豆腐のフライ、鶏肉と生姜とネギの煮込み、スペアリブ、青菜、お粥としました。海鮮が続いた食卓だったので、お肉が食べたい、というわけで海鮮物が有名なこのお店でお肉を攻めます。
魚のスープ。白濁した鳥のスープのようです。魚の味が凝縮。オレンジ色は、角切りのトマト。その他にジャガイモの角切りが数個入っていました。
どのテーブルでも注文していた豆腐のフライは、クリスピーな衣に絹豆腐のなめらかな食感が包まれて、食べ進めるほどにこの絶妙さと衣の味付けのファンになってしまいます。豆腐に衣がピタリとくっついています。すごい技。
鶏肉は炭火で焼いた香ばしい鳥もも肉と乾燥生姜とネギが甘辛く絡み合っています。甘辛いタレがおいしい。日本の焼き鳥を彷彿とさせる甘辛。
スペアリブもあっさりと上品に揚がっています。お肉でパワーチャージです。おいしい。
青菜は白粥で煮てあり、調味料としてお粥を使うのかとなるほど納得。薄味で、おかずとのメリハリのある味付け。揚げニンニクが入っています。
お粥は照りがあり、米粒が完全に崩れたタイプ。味の濃い料理のお供としてお粥はスープとしてもいける。そんなことに気づきます。
どれも上品で港町の「レストラン」で気軽に食べる料理、少し気張っておいしい物を食べにいこうよ、も両立するようなそんなお店でした。
海鮮の街で、海鮮を食べなかった「あまのじゃく」でしたがどの料理も美味しかった。
港町、西貢を歩く
さて、その後は西貢の街を歩きました。休日の観光地、やはり活気があります。晴れた穏やかな暖かい日差しが気持ち良い。時間の流れをゆっくりと感じます。
街のお店を見渡しながら、お腹いっぱい食べに来る場所なんだと実感します。どのテーブルも賑やかなこと。
その後、またミニバスに乗って途中二階建てバスに乗り換えて次の目的地へ向かいました。バスへの乗り換えを間違って思わぬ方向に進んでいましたが途中下車して地下鉄へ乗り換え。
アクシデントがあっても、思いもよらぬ街の風景とも出会えて、次を急がないのでまあいいかと呑気です。
中国茶専門店と亀ゼリーと100年続く甘味屋さん
コーズウェイベイに向かいます。目的は中国茶専門店「三思堂」。
友人から教えてもらったお茶屋さんでお土産購入です。ホテルで飲んだ鉄観音の中煎りが美味しかったので、それを2つとプーアル茶(1998年製)を1つ。10年目のプーアル茶お味が楽しみです。パッケージもしっかりしているのでお土産にオススメです。
店内でお茶も1杯頂き、ごちそうさまでした。
こじんまりとしたお店ですが、道具類も充実しています。
その後は、香港の甘味の老舗に行きたいと思い、「源記甜品專家」へ。西營盤にある創業1885年の甘味屋さんです。
100年以上続く味はどんなものか、食べてみたくなります。
内装は新しく、清潔感があります。掃除が行き届いているのでしょう。老舗の貫禄といいますが、ピンとした空気があります。
店主が誰出るかがすぐにわかり、代々店を守る心を感じます。
メニューを眺めながら、卵のプリンと杏仁のお汁粉と黒ごまと蓮の実のお汁粉、そしてテイクアウト用に卵の蒸しケーキを注文。店内は静かで皆もくもくと甘味を食べています。
卵のプリン。
杏仁汁粉。
蓮の実入りの黒ごま汁粉。さらさらです。
卵ケーキは持ち帰りました。
素朴な袋をいただきました。
人混みを歩いて疲れた体に素材を活かすぎりぎりの甘さの加減と温かいあまさがほっとします。杏仁も卵も胃を優しく覆ってくれているような気がします。
(この後偶然にも刺激的な四川料理を食べに行くことになるのですが、その前にこの甘い優しい甘味が胃に収まっていたことで辛い刺激が緩和されたはず)
黒ごまは味見をして、テイクアウトしました。
途中、亀ゼリー屋さんを発見して購入。
食後と明日の朝に楽しみです。
四川料理の「赤」。癖になるおいしさに火がつく
さて、香港最後の夜は四川料理にチャレンジです。三希樓という四川料理のお店です。店内は火鍋を囲むお客さんが沢山。おいしそうに具材が盛られ、赤いお肉に緑の野菜と彩り豊かで新鮮そうな具材が魅力的に盛られていました。火鍋も迷いましたが、お昼もしっかり食べたので、おかず3品を注文。
麻婆豆腐、覇王棘子鶏、豆苗炒め。
お通し。厚揚げの煮物と唐辛子入りの漬物。ザーサイと筍そして砂肝入り。
覇王棘子鶏は唐辛子の山の中に骨付きの鶏肉とカシューナッツが埋もれているという料理でとても楽しい。唐辛子をかき分けて、小さくカットされた鶏肉を探しながら食べます。唐辛子と一緒に揚げてあるので、唐辛子の辛味が鳥とカシューナッツの表面に移っています。新鮮なスパイシーさを味わえる一品。唐辛子が皿からこぼれ落ちるほど大量なので、その中からさくさくと箸で鶏肉の小さなカットを探すのがとても楽しい。箸が進みます。あっさりとした鶏肉しかも骨付きでお酒のお供にもってこい。
麻婆豆腐は白いご飯が欲しくなり、追加で注文。辛い、うまい。癖になる辛さに火がつきました。
途中豆苗の優しい味に舌を休ませながら、もくもくと食べ、汗を拭い、最後に熱いお茶をきゅっと飲んで完食。
辛さに夢中になりました。
店内はゆっくりと火鍋を囲む人がまた増えています。次回は火鍋が食べたい、そう思いながらお店を後にしました。
夜の香港公園と満月
お店を出て、ホテルまでは歩くことにしました。高台にあるお店を下ります。香港のビル群を眺めながら、階段を下り、公園を通って帰るルート。
静かな夜の公園もいいものです。亜熱帯の植物、夜に見ても魅力的。怖いという感覚はありません。どこか懐かしい夏休みのわくわくする夜を思い出すような、月明かりに照らされた明るい空とビルの明かり。真っ暗という言葉が香港の夜にはなさそうです。
ふと空を見上げると満月。気持ちの良い夜の散歩道でした。
ホテルに戻り、フルーツを食べて四川のピリピリを沈めて眠りました。
今日もいい一日だった。お正月「六福」菜館、「四川の赤、お粥の真っ白=紅白」、「満月」今日の出来事を縁起の良い言葉に結びつけながら、今年もいい一年になる予感を膨らませながら床につきました。
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