ある惣菜屋さんの日常
ご近所に惣菜屋さんがあった。この惣菜屋さんの営業時間は夜から。明確な時間は決まってないが、17時ごろから品が並び始め、19時過ぎごろにやっと充実しだす。全品並ぶのは20時過ぎてから。お店は24時近くまでやっている。正月とあと少しだけお休みするだけで、決まった休みなく営業している。働き者で夜型のおじいさんとおばあさんがやっているお惣菜屋さんだ。おばあさんが料理を作り、おじいさんが料理を売る。料理をパッキングするのに時間がかかるので、夜には時間によっては行列する。
こちらで扱う料理は、酢豚や煮物など家庭料理である。味の濃いものはきちんと濃く、薄いものは薄い。メリハリが効いている。そして、めっぽう旨い。第二の家庭の味のよう。
頻繁に買いに行くわけではないが、たまに無性に食べたくなる味。仕事で疲れた帰りに買って食べるとなんだかほっこりする。
ある時、他にお客さんはなく、「なんでそんなに休みなく働けるのですか?」と聞いてみた。答えはしごくシンプルだった。
「お惣菜を売ってれば、自分でも食べれるからね。」
このおじいさんとおばあさんは、毎日自分が食べる食事をここで売っているんだ。生活のためにお客さんにも売るのだけれど、メインは自分の食事なんだ。だから、家庭の味がするのかと妙に納得した。
夜型で休みなく働いているおじいさんとおばあさんは、これが生活のリズムなのだ。今は引っ越して近所ではなくなったが、おじいさんとおばあさんの食事をおすそ分けしてもらうために、ふとしたときにこのお惣菜屋さんに行きたくなる。
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