くらしのちえ

良いものは作り手の知恵が詰まっています。選んだもので暮らしはつくられます。そんな暮らしの一部を紹介します。

FRUITS & NUTS GRANOLA グラノーラの作り方 

依頼を受けてグラノーラを作っています。今年で3年目。

「いろいろなグラノーラを食べているけれど、やっぱりこれが一番好き」と毎年リクエストをいただけるありがたさ。大人の「お菓子屋さんごっこ」です。恒例の楽しいイベント。今年はパッケージに出来立てほやほやのロゴもつけて、より本格的な遊びを満喫しました。自分も楽しい、相手も楽しい、大人の遊びです。

 

 

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 (出来上がったグラノーラを空き瓶に詰めました) 

 

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(出来上がったグラノーラをチャック式袋に詰めました)

 

 

1  FRUITS & NUTS GRANOLAの特長

香ばしさと、メイプルシロップとオリーブオイルの自然な甘さが特長です。そして、ナッツとドライフルーツの割合はどこにも負けないかもしれません。どこを食べてもナッツとフルーツに行き着く、グラノーラです。

 

2 作る工程を変えて、失敗がなくなりました

⑴作り続けて気付いたこと

3年作って、安定した味となってきました。はじめは失敗が多かったです。食べてもらっていろいろな意見をもらうことで、気付きました。

グラノーラは素材同士の集まりです。基本の素材は、オートミール・ナッツ・ドライフルーツです。それぞれの素材は、「一番美味しい状態」が異なります。

 

⑵グラノーラの素材にとって美味しい状態とは

・オートミールはパリパリがいい

・ナッツはカリカリの食感と香ばしさを引き出したい

・ドライフルーツの食感はしっとりさを残したい(固すぎては歯に当たる)

 

これらの条件を一気に満たすには、一般的なグラノーラのレシピではとても難しいです。なぜなら一般的なレシピでは、①材料を後から後から追加していく方式で仕上げるか②全ての材料を一気に混ぜ合わせてオーブンで仕上げるからです。上記3つの状態を両立させることが、とても難しいのです。

 

⑶素材を活かした美味しい状態を保つために

そこで、「材料を1種類ずつ個別に」火入れして「最後に全ての材料を混ぜ合わせる」ことで、3つの美味しい条件を満たすことができました。この方法なら、それぞれの素材が一番美味しくなった状態で火入れをストップできます。

材料を一気に混ぜて火入れする方法では、どのタイミングで火入れをストップするかの判断が難しいのです。(オートミールはパリパリだけど、ナッツはもう少し香ばしく仕上げたいなど、矛盾が生じやすい)

 

 

 

 

3 FRUITS & NUTS GRANOLAの材料:(目安)

※出来上がり量は2キロ弱です。(16㎝×14㎝の袋に詰めて、9袋分)

 

材料

・オートミール 500g ※メーカーはアリサン

アリサン オートミール 500g

・メープルシロップ 大さじ6

・オリーブオイル 大さじ2

 

・くるみ  200g

・ひまわりの種 400g

・スライスアーモンド 400g

 

・いちじく 300g

・デーツ 400g

・レーズン 400g

 

・塩 お好みで少々

 

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ドライフルーツとナッツは通販で取り寄せました。

オートミールはアリサンのものを指定しました。

アリサン オートミール 500g

幾つか試して仕上がりが最も良かったからです。粒が大きく厚みがあってパリパリに仕上がります。

 

 

 

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 蜂蜜を使うグラノーラもありますが、パリパリ感を求める場合はメープルシロップの方が向いています。

 

 

4  FRUITS & NUTS GRANOLAの作り方

4ステップでご紹介。ポイントは素材ごとに、仕上げることです。

⑴オートミール:メープルシロップとオリーブオイルで味をつけてフライパン炒る→さらに一手間、最後にオーブンで均一に火入れ。

 

⑵ドライフルーツ(デーツといちじく):カットしてオーブンで水分を飛ばす

 

⑶ナッツ:香ばしさを引き出すためにフライパンでさっと炒る

 

⑷それぞれの具材が冷めたら⑴〜⑶を混ぜ合わせて出来上がり

 

 

5 作り方の詳細と各工程でのポイント

⑴オートミール:メープルシロップとオリーブオイルで味をつけてフライパン炒る→さらに一手間、最後にオーブンで均一に火入れ。

※フライパンに対してオートミール500gを一気に入れると多すぎるので半量ずつ分けて作りました。

 

①メープルシロップとオリーブオイルを混ぜ合わせて準備する。

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②フライパンを熱する(常に弱火です。このくらいの火をキープし続けます)

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③ ①を入れて、プツプツ気泡が出るまで待つ

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④グラノーラを入れて混ぜ合わせる(①がグラノーラ全体に行き渡るように)

 

⑤弱火で約20分、木べらでまぜ続ける。

木べらから触感の変化を感じます(しなっと柔らかかったグラノーラの触感が火入れを続けることで、ある時間からパリパリ、ガサガサした手応えのある触感に変わってきます。)

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⑥20分経過を目安に、焼き目とパリパリ感が出てきたら火から下ろす。

(冷めたらしっかりパリパリになります、炒りすぎると苦味を感じるので注意)

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※さらにパリパリにこだわりたければ、130度のオーブンで30分火入れ。

 

⑦広げてしっかり冷まします

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⑵ドライフルーツ(デーツといちじく):カットしてオーブンで水分を飛ばす

レーズンはそのまま具材として最後に混ぜ込みますが、デーツといちじくはカットすると表面がベトベトするので水分を飛ばします。

 

①デーツといちじく、それぞれをレーズンと同じくらいの大きさに切る

(下記写真はデーツです)

f:id:kurashi_chie:20161218055408j:plain ②120度のオーブンで30分加熱。

③広げて冷ましておく。

 

 

⑶ナッツ:香ばしさを引き出すためにフライパンでさっと炒る 

ロースト済みのナッツでも、一手間加えて弱火のフライパンでさっと炒ると香ばしさが際立ちます。

 

①弱火でそれぞれのナッツを個別に炒る

※3種類一気に炒らずに、個別に仕上げてゆきます。

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火力はこれくらい。

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②冷ます

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さあこれで⑴〜⑶の工程が終了しました。

 

 

⑷それぞれの具材が冷めたら⑴〜⑶を混ぜ合わせて出来上がり

それぞれが一番美味しい状態で仕上がりました。

・オートミールはパリパリ

・ナッツはカリカリの食感と香ばしさ

・ドライフルーツの食感はしっとり

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(左上から時計回りに:ひまわりの種、くるみ。オートミール、いちじく、デーツ、レーズン、アーモンド)

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そろった7つの具材を均等になるように混ぜ合わせます。

混ぜ合わせる際のポイント

・混ぜる順番はフルーツ→ナッツ→オートミールの順で。

理由:いちじくとデーツの表面をナッツの屑で覆うため。これによって全ての具材がパラパラで均一に混ざり合い、オートミールのパリパリ感も保たれます。

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 どこを食べてもナッツとドライフルーツの嬉しいグラノーラです。

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5 最後に袋詰めとラベル貼り

⑴袋に乾燥剤を入れて、袋いっぱいにグラノーラを詰めてゆきます。

ゴールが見え出すワクワクする作業です 。

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 ⑵タックシールにプリンターで印刷したラベルを貼ります。

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食べてくださる方が安心できるように原材料と製造日を貼って、出来上がりです。

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6 ラベルについて

木の実と果実をイメージしたラベルを作成してもらいました。

「時間があるときに気が向いたらお願いします」と依頼していたラベル。

ちょうどグラノーラ作りの前日に完成しました。

手書きの文字を活かして素朴なデザインを施して頂きました。完成品の陰には幾つものボツ案が。思いやりが詰まったラベルです。

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 7 つながりを楽しむ大人の遊び方

インスタグラムにアップしたところ、日本を超えて海外の方に「いいね」を押して頂きました。

自分で作ったグラノーラが、定期的にリクエストをもらって喜んで頂いて、ラベルまでできて、世界の人に写真を見てもらえる。

そんなつながりを楽しめる大人の遊び。これは贅沢な時間の使い方かもしれません。そして1回で辞めずに一年に1回でもぽつりぽつりと続けることで、少しずつ変化しながら広がる楽しみがあります。一気に遊ばない、細く長く楽しむことから何かが広がっていくかもしれません。

 

 

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