台湾の人和園雲南菜はどうして日本人に人気なのか。実際にお店に行ってその理由を考えてみました。そこには旅行者の心をつかむ色々なヒントが。
影響力ある人がお店を紹介
有名料理研究家やスタイリストの紹介
栗原はるみさんや伊藤まさこさんが著書で紹介していました。プロが行くお店は気になるものです。実際にお店の玄関前には、栗原はるみさんとオーナーの奥様の写真がありました。
台湾ガイド本の執筆者の紹介
柳沢小実さん「わたしの好きな台北案内」や内田真美さん「私的台湾食帖」で紹介されています。20年以上前から台湾に通う著者。初心者、リピーター含め友人から「ここに行きたい」と必ずと言っていいほどリクエストが上がるお店だそうです。
日本語のコミュニケーションが不自由なく使える
日本語で予約可能
並んでいることも多く、予約をするのが安全です。北京語ができなくても、日本語での予約ができましたのでご安心を。スタッフの方は日本語が堪能です。
仮に、日本語ができない方が電話を取ったとしても、「もしもし。席を予約したいのですが。」と日本語で言えば、きっと店内で堪能な方に取り次いでくれます。思い切って電話をかけて、予約をしましょう。
メニューは日本語訳があり
どんな食材を使ったどんな味付けかがわかるメニューです。写真もきれいなので、どんな料理が出てくるかも事前に想像ができます。
日本語が話せるスタッフがメニューの相談に応じてくれる
迷いがちなメニュー決め。メニューの説明やオーダーした料理の説明もわかりやすく話してくださいます。店内につくと、日本語を話せる店員さんがほとんどでした。
これを食べたいという数品は決まったけれども、あとは…ということが起こりがちですが、メニュー選びにもスタッフの方が親切に対応してくださいます。「揚げ物が多いから、さっぱりしたこのメニューを追加したら?」「初めてならこれがおすすめ」「パクチーが入っているけど大丈夫?」など全体のバランスや好みを聞いて、相談に乗ってくださいます。
ユーザーフレンドリーな対応
フレンドリーなスタッフ
広い店内なので、どのテーブルにどのスタッフが担当するかが決められているようです。特定のスタッフが接遇してくれ、時々テーブルを見に来てくれます。
オーナーの奥様は店内をせっせと歩き回って、各テーブルでコミュニケーションを取っておられて、日本語での言葉掛けがとても上手です。
注文した料理とともに使われている素材を見せてくれる
使われている野菜の実物を料理とともに運んでくださいました。「これは何を使っているの?」という質問に言葉で答えるよりも、実物を見ることができれば納得です。欲しかった情報を先に持ってきてくれる旅行者のツボを心得た技でした。
素材を見ると安心して食べることができます。
盛りが多くなく、何種類も楽しめる量なので色々食べたい少人数旅行者に最適
盛りがよいことは嬉しいことですが、いろいろな種類にトライしたい旅行中は少しづつ色々なものを食べたいもの。そんな欲求に応えてくれる盛り具合です。2人で5〜6品は食べることができます。
清潔感と洗練感
清潔感のある店内
白いクロスがかかったテーブルに、紙のランチョマットが用意されており、ゆったりとした空間です。気ぜわしさがなく、ゆっくりと旅の食事を堪能できます。現地では高級な部類に入ることでしょう。
食べ飽きないあっさりとした味付け、脂っこさがない
人和園で供される料理は雲南料理です。中国の最南端、ベトナムやラオスに接する雲南省の料理はどれを食べも、刺激が少なく穏やかな味付けです。「変わった味付け」を求める人には不向きかもしれませんが、この食材をこんな風に使うのかという小さな驚きが潜んでいます。
例えば一番有名な「鶏油碗豆」(豆のスープ)は、一見グリーンピースに見えますがそうではありません。スナップえんどうのやわらかい小さな豆を使っています。プチプチとした若い独特の食感に驚きます。さやごと食べることばかりで、豆だけ取り出して味わうことはなかったので、こんなに面白い食感が隠れていたのかという驚きがありました。
また、豇豆釀百花(海老のすり身とささげ豆の揚げたもの)には、ささげ豆を結んだものに海老のすり身をくっつけて揚げ、甘辛いたれを絡ませた料理です。ささげ豆を結ぶことで、ささげ豆が一番美味しく感じる独特の食感を引き出しています。
もともとこちらのお店は7年ほど前に台湾駐在の日本人の方から教えていただきました。当時から日本人は多かったようですが、いまはより日本人にカスタマイズされたお店づくりになっているように思います。
といっても、日本にはない食材の組み合わせや味、雰囲気があり、日本人にとって"ちょうどいい具合"の異国情緒を味わえるので、どなたと行っても間違いなく喜ばれると思います。
特にローカルな台湾食をたくさん食べてきた人や清潔感ある店内でゆっくり食べたい人などにオススメの店と思います。今回改めて訪問して、日本人が安心して食べに行ける様々な工夫に感嘆したお店でした。
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