『元祖』『日本発』『発祥』。そんな言葉にひかれます。
何にでも元祖があります、突然ですが寒天ゼリーにも。
寒天ゼリー発祥の地は愛知県田原市
初めて行く場所について調べていると思いがけない情報に出会います。今回、愛知県田原市を訪れる機会があり、出会いました。寒天ゼリーの会社、鈴木製菓です。
寒天ゼリーは大正の初め、愛知県(旧)渥美郡田原村の鈴木菊次郎によって発明されました。
この歴史がめっぽう面白い。
鈴木菊次郎さんは、オブラートを発明した発明家でもありました。オブラートが生まれたのは、この寒天ゼリーの開発がきっかけでした。
翁飴を売っていた菊次郎さんは、飴の柔らかさを保ったまま、飴同士がくっつかないようにしたいという悩みがありました。
それで、ある時ご飯の釜が吹きこぼれた汁が固まって半透明の薄い皮膜になるのをみて、これだ!と発明したのがオブラートだそうです。このオブラートで包んだものが、寒天ゼリーの始まりです。
そして、鈴木菊次郎さんが寒天ゼリーの製造をやめる際に、製造機械等を継いで事業を始めたのが弟子の鈴木道生さんでした。鈴木道生さんが始めた会社が鈴木製菓です。現在では4代目まで継がれているそうです。
田原市の隣、豊橋市には、杉本屋製菓、金城製菓という寒天ゼリーを扱っている会社があります。
生産量としてはこちらの2社の方が多いようです。歴史を紐解くと、鈴木菊次郎商店の問屋さんだった杉本屋製菓が、菊次郎さんの事業譲渡を機に、製造を始めたようです。
全国生産の8割以上が豊橋・渥美半島で生産されている寒天ゼリー。
寒天ゼリーを食べたことがある方は、これらの会社のものをお目にかかっていると思います。
パッケージがいい
鈴木製菓の寒天ゼリーはパッケージが素晴らしい。
なかなか、ありません。この心惹かれるデザイン。50年間変わらないパッケージだそうです。
道の駅で販売しているとのことで、めっくんハウスへ行きました。
目星をつけてお菓子コーナーまで一直線。ありました。花柄の包装紙にくるまれていました。1箱1000円、駄菓子のイメージなのでなかなか高価に思えますが、寒天ゼリーの元祖。食べてみなければわかりません。早速、開封すると魅力的なレトロさいっぱいの箱が出てきました。
インパクトがあります。そして中には2袋のミックスゼリーが。
綺麗です。
中には説明書がありました。歴史の土台に成り立っていることを知り、寒天ゼリーのイメージが覆されます。
昔ながらのセロファン包装
色々な種類が入っています。選ぶのが楽しい。淡い色づけに好感をもてます。そして1粒のサイズ感がとてもよい。
思わず透明のゼリーを取り出して青空にかざしました。キラキラしてとてもきれいです。
上品な甘さと滑らかなつるつるの新食感
原料は、水飴、砂糖、寒天、オブラート、香料、着色料。上品な甘さと滑らかさです。オブラートに包まれています。昔食べた記憶の寒天ゼリーはもっと味がついていて、寒天のぽりぽりした食感が強かったと思います。
こちらは、大人も美味しい寒天ゼリーです。
甘くて味が沢山ついた寒天ゼリーとは全く異なります。
持続性ある飴と思って食べる
1粒を口に入れて、噛まずにゆっくり溶かしていると気付いたら30分たっていました。すごい持続性。滑らかつるつるです。水飴のやさしいもっちり感も感じます。
飴だと、糖分が多いので口の中がべっとり甘くなります。でも寒天ゼリーなら寒天によって水分を含んで固まっているので、口の中が甘くなりすぎません。マイルドでほんのりした甘さが口の中で持続します。
寒天ゼリーを見直す
寒天ゼリーを見直しました。こうやって、今まで知っていたけれど気に留めていなかったものでも、元祖を知ったりあらためて美味しさに気付くと少し世界が広がったような気がして嬉しいものです。 後日、年配の方へもお裾分けしたところ大好評でした。
伝統菓子でもないし、駄菓子でもない。スポットライトが当たることが少ないお菓子
でもそれが大正時代から愛され続けて今に残っている。目立たず、騒がずひっそりと礼儀正しくいる。何ていいおやつなのでしょう。
購入できる場所
鈴木製菓の箱入り寒天ゼリーは、田原市の道の駅のめっくんハウスかあかばねロコステーションで販売しています。
東京近辺で購入したい場合は、上野アメ横の仁木の菓子へ。お電話で確認したところ、ソラマチ店にも鈴木製菓の袋入り寒天ゼリーは置いてあるそうです。(ただし箱入りはないそうです。)
インターネットだと、アマゾンで
が正規価格で販売しています。
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