人は見た目が9割。この言葉、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
昨日取り上げた、この本と比べると、上記の本はタイトルで惹きつけられます。
タイトルのインパクト溢れる『人は見た目が9割』はベストセラーとなり、100万部以上売り上げました。本にとって、中身以上にタイトルが重要であることがわかります。
さて、耳にタコができるぐらい、言い古された「人は見た目が9割」という意味を改めて考えて見ました。
非言語コミュニケーションが93%
本書のタイトルは、アメリカの心理学者アルバート・マレービアン博士の実験結果をもとに付けられています。
人が他人から受け取る情報の割合について調べたところ
・顔の表情 55%
・声の質、大きさ、テンポ 38%
・話す言葉の内容 7%
すなわち、話す言葉の内容は7%にすぎず、言葉以外が93%となっている。言葉以外のコミュニケーションをノンバーバル(非言語)コミュニケーションと言うのですが、これを見た目と言い換えると、人間が得られるすべての情報のうち9割がこちらに分類されるという言い換えをしたのです。
情報伝達をバーバル(言語)コミュニケーション、ノンバーバル(非言語)コミュニケーションなどと説明せず、「見た目が9割」といってしまう。見た目で損をしている人を想像し、そうだよな、見た目重要だよなと思わせる力を持ったタイトル付けがとても参考になります。
タイトルに騙されない
筆者は、演劇の脚本、漫画の原作を仕事とする中で、同じ言葉でも誰が演じるか、どんな絵を見せるかで、印象が全く違う、これはなぜだろうという疑問から本書を執筆したとのこと。そして、言葉は重要ではなく、見た目の方が重要なのだという結論が述べられます。このような自らの経験から執筆された本書は、共感がもてます。
しかし、改めて考えてみると、ちょっと変だなと思うことがあります。(1)言葉を大切にするか、(2)見た目を大切にするかという二つの質問に対し、二つともYES(あるいはNO)はよいとして、
A. 言葉を大切にするが、見た目を大切にしないひと
B. 言葉を大切にしないが、見た目を大切にするひと
の二人がいて、Bのひとはそのままでいいと誤解させるかもなと思ったのです。
本来なら、伝えるべきメッセージを言葉できちんと形にして、それでいて見た目にも気をつけるべきであり、順序としてはこちらが正しいように思います。
言葉を大切にした上で、見た目にも気を使う。こうした順序を間違えてはいけないように思います。
そういう意味で、タイトルの言葉の持つ力を意識して使わないと誤解を生む危険性をも感じました。
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