新幹線に乗ると、よく目につくのは外国人。車両の半分以上が外国人ということもあり、ここは海外?と思うこともあります。
日本に来て消費をすることで、広く日本経済に貢献してくれているということなので、外国人が日本を訪れているというのはそれ自体いいことなのでしょう。
ただ、外国人が増えることで在住する日本人にとって不便が増えているようにも思います。
外国人は新幹線を格安で乗ることができます。外国人だけが購入できる、ジャパン・レール・パスは、7日間新幹線指定席含めて、JR鉄道各社が乗り放題で、たった29110円。グリーン車の乗れるものでも、38800円。しかも、指定席は取り放題で乗らない電車でも、念の為予約して、乗らなくても罰則もないのです。このおかげで外国人は日本各地に旅できるという利点は、旅行者にとって抜群の割引効果なのですが、それに関係ない日本人にとっては、新幹線の予約が取りづらかったり、混雑がひどくなったりと、直接的なデメリットを感じてしまうのです。
それ以外にも、京都などの観光地ではバス混雑がひどく市民生活は悪化するばかり。最近はオーバーツーリズムとか、観光公害とか観光の負の側面にも着目される様になっています。
こうした観光客とうまく折り合いをつけるにはどうすべきか。適切な費用を観光客から徴収して、インフラ整備をしたり、あまりに観光客が来すぎるような場所には価格を高くして、客数を減らす価格メカニズムを導入するのが一つではあるでしょう。日本に出国する人に1000円を課税する出国税が導入されたのですが、これも旅行業界から反発があったようです。
2020年に訪日外国人4000万人を目指す日本政府。一般的な日本人にとっては、直接的なメリットは感じづらい一方で、観光地の混雑、ごみ問題など、デメリットはその地に暮らす人にとってはデメリットを直接感じてしまうのです。そこで、観光客と市民との分断が生まれ、対立するような自体になる前に、手を打ってほしいものです。