くらしのちえ

良いものは作り手の知恵が詰まっています。選んだもので暮らしはつくられます。そんな暮らしの一部を紹介します。

同じサービスで値段が変わる嫌悪感

同じサービスでも、時期やお客さんの数で値段が変わることがある。

 

ホテルの予約が時に顕著に値段が変わる。ダイナミックプライシングというそうである。需要が多い時には高い価格、需要が少ない時には低い価格をつける。これで、収益を最大化しようというものである。

 

ホテルの経営的にはダイナミックプライシングが良いだろう。だが、顧客からすると同じサービスなのに、値段がコロコロ変わり、時期によっては何倍も高くなるとするとどうも信頼がなくなる。特に高くなることに対しては嫌悪感すら持つようになるだろう。

 

星野リゾートのあるタイプのホテルではダイナミックプライシングをやめたと以前ニュースになっていた。ホテル業界がこぞって、価格で収益を最大化している時に、あえてそれをしないというのは、勇気がいることだと思う。でも、ブランドのロイヤリティーはやはそれで上がるだろう。星野リゾートは、若い世代が使うホテルをあえてダイナミックプライシングを使わず、ロイヤリティを上げ、多少お金に余裕ができた時に上位のホテルに泊まってもらおうという戦略である。こういう形で経営的にも数字を上げていきながら、顧客の満足も高めるというのは良い策であろう。

 

そのほかにも今の時期は引越しの時期だ。引越し難民が出るかもしれないというニュースが出ていた。これもダイナミックプライシングを導入して、この時期はやたらと高くなる。引越しの場合、なんども引っ越す人もいるが人生でせいぜい数回しかないイベントなので、企業としてはロイヤリティを高めるよりも、取れるだけ取った方がいいという行動になる。したがって、引越し業界はよりダイナミックプライシングになり、この時期はベラボーに高い引越し費用がかかることになる。

 

同じサービスで値段が変わることは、経済学的にはありうることである。しかし、こと一度きりの取引ではない場合は、同じサービスで高値になっているとわかってしまうとどうにも嫌悪感が拭い去れない。いい解決策はないだろうか。

 


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