くらしのちえ

良いものは作り手の知恵が詰まっています。選んだもので暮らしはつくられます。そんな暮らしの一部を紹介します。

サードドア

久々に、一気に読み切った。450ページもある本だが、全部読みたいと思わせる魅力がある。

 

サードドアを主題としている。

誰もが行列するファーストドア。

VIPに生まれた人だけが通れるセカンドドア。

その他に、誰もが通らない裏道にあるサードドアに着目しよう。それがチャンスを掴む方法である。

そういう話なのだが、それだけ聞くとよくあるビジネス書のように思う。よくある説教臭く、自分の体験を世の中こうなっていると説く、迷惑な話のように思っていた。

 

 

サードドア: 精神的資産のふやし方

サードドア: 精神的資産のふやし方

  • 作者: アレックスバナヤン,Alex Banayan,大田黒奉之
  • 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
  • 発売日: 2019/08/23
  • メディア: 単行本
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しかし、本書はビジネス書ではない。一人の若者の経験した、良質なノンフィクション。日本の類書を上げるとすると、小田実『何でも見てやろう』、沢木耕太郎『深夜特急』が挙げられよう。

 

何でも見てやろう (講談社文庫)

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深夜特急1?香港・マカオ? (新潮文庫)

深夜特急1?香港・マカオ? (新潮文庫)

 

 

 一人のアメリカの若者がビル・ゲイツを始め、ジョージ・ルーカス、レディー・ガガなど著名な人たちから教えを請う中で見出した成功の法則、それがサードドア。

 

しかし、一般的なインタビュー記ではない。ビル・ゲイツへのインタビューでは、緊張しすぎて、有効なコメントを引き出せなかったという話として登場する。

 

著名な人たちから、何を自分が学んだか。それがメインストーリーではなく、著名な人たちに会うまでに何度もメールを送り、秘書に断られ、それでも何度も何度もトライする。粘り強さが美徳という考えで突き進むが、むしろ煙たがられる。それでもいろいろなチャンスの芽を巻き、それを育てる中で失敗し、一方で成功もする。幸運が味方する事もあれば、最悪の事態にも巻き込まれる。著名人たちに会うまでに体験したリアルな一個人の成長物語が、本書の魅力である。『深夜特急』も初めて読んだときには、一晩徹夜で一気に読み切ったが、この本も他のことを差し置いて一気に読み切ってしまった。

 

 

 

 


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