古美術の展示即売会に出かける。台風の直前、雨風のあるなかで朝から並んだが、お目当ての品が買えなかった。
買えないという経験、これも貴重で楽しいことである。確かに残念であり、買えなかったものに対して、惜しいという気持ちは強い。でも、普段、お金さえあれば買えると思うこともある。しかし、世の中には、仮にお金があっても買えないものもある。お金が沢山あるわけではない。しかし、欲しい物があっても、買えないという経験は身を引き締める。ほしいと思えるものが世の中にはたくさんあり、まだ自分の知らないところに、欲しい物があるという広がりを知る。そして、ほしいものにありつくには努力が必要であること、身にしみて感じさせるからである。
どういうものがほしいのか。ものに対して、どんな姿勢でいたか。そんなことを試されるように思う。