お金を貯めること以上に、お金を有意義に使うことは難しい。
お金を貯めることと、お金を使うこと。簡単に二分法で分けられるように思うが、その行動は全く違う種類のことである。
お金を貯めるということは、お金を使わないようにすればよいのである。もちろんそれはそれで難しいことではあるが、使わないということでシンプルにすむ。
難しいのは、お金を使うこと。ただ、無計画に使うことは簡単である。しかしこれを有意義に使おうと思ったときにはとても難しい。
それは、有意義にお金を使えるようになるためには、買うものを評価しなければならいからだ。1万円を使うときに、使い方には色々ある。レストランで食事をするという使い方もあれば、食材を買って料理するという使い方もある。食器を買うということも、本を買うということも、家電製品を買うことも出来る。1万円は、かなり多くの製品やサービスに転換できるのである。
その使い方が、有意義かどうかは、考えていなければ失敗する。1万円のお皿を買うときに、もっと気に入る皿があるかもしれないのに、それを決断しなければならない。
だから、使うことには技術が必要で、技術をつけるには経験が必要である。ただ、たくさんお金使える人がお金を使う技術が高いとは限らない。「意図的な練習」がその技術の習熟を高めるのである。一つ一つの買い物経験を意識的に行う必要がある。また、自分が使わなくても、うまくお金を使える人のことは学んでおくとよい。こうしてお金の使い方がうまくなると、楽しく過ごせるようになるだろう。