くらしのちえ

良いものは作り手の知恵が詰まっています。選んだもので暮らしはつくられます。そんな暮らしの一部を紹介します。

アメリカ・ハンバーガーチェーンのIN-N-OUT(イン・アンド・アウト)の人気の秘訣

カリフォルニア州のハンバーガーチェーン、IN-N−OUT。お店に行くと、人が一杯で、沢山の店員さんがせっせと働く活気ある人気ハンバーガー店なのです。

 

なぜ、こんなに人気があるのかを、お店に訪問して体験してきました。

 

そして、

(1)割り切ったメニュー構成による低価格

(2)高い品質

(3)お店のファンにさせる手配り

で成功していることがわかりました。

 

ぱっと見た目の外観は、赤の文字、黄色のロゴマークを使っており、その色使いはマクドナルドのようです。

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店内に入るとメニューは上に表示されているだけです。

メニューは、ハンバーガーは、Double-Double(パティが2枚、チーズが2枚で$3.9)、Cheesebarger($2.7)、Barger($2.4)の3種類だけ。

サイドディッシュはFries($1.85)のみ。

後は飲み物(S:$1.55,M:$1.65,L:$1.85,XL:2.05)でのみという構成なのです。

 

お店に入ると、上記から好きなものを選ぶか、Combo#1($7.4)、2($6.2)、3($5.9)から選ぶのです。Comboは、ハンバーガー、フライ、飲み物Mという構成。

 

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このメニューは、幾つもの興味深い利点がある戦略を取っています。

 

まず第一に、お客さんにとってわかりやすいということです。ハンバーガーを食べに来たお客さんは、多くはコンボを選びます。コンボは3種類しかないので、自分の食べたい瞬時に選ぶことができるのです。(面白いことに、コンボを選んでも単品の合計価格と同じ値段なのです。お客さんが選びやすいようにしているだけで、安売りをしているわけではないのです。)

 

そして、第二にこのシンプルなメニューは低価格化に寄与しています。まず、商品数が少ないことで、必要な在庫のコストはかかりません。そして、商品の提供するスピードを早く出来ます。お客さんは3つしか選択肢がないので、事前に何食べようかを選んできているはず。そうすると、迷う時間が少なく、レジ待ちのお客さんの回転率が上がります。さらに、少ない商品数なので、提供する側は少ない工程を専門化して受け持つことで、分業体制を行っているのです。

 

キッチンが見えるのですが、レジ部門、ハンバーガー部門、フライ部門に別れて、分業体制を取っています。これにより高い生産性になっているものと思われます。

 

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そして、低価格化のためのコスト削減としてセルフサービスをうまく使っています。

 

例えば、飲み物は完全にセルフサービスです。アメリカだとマクドナルドでもこの形式ですが、日本的な視点で考えると、店員さんが飲み物をサーブするオペレーションをすることで、コスト高になるので、ここはセルフサービスでお客さん自身にやってもらいます。これは、お客さんにとっては選ぶ楽しみがあるので、やらされている感はありません。

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そして、ケチャップ、塩もセルフサービスです。

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お客さんにとって、安いということは魅力的です。

しかし、安くても美味しくなければお客さんは嬉しくありません。

 

彼らの取った戦略その2は、高品質化です。「Quality you can taste.」というキャッチコピーを使っています。

 

コンボ2を注文しました。ハンバーガーとポテトをみてください。

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チーズバーガーを頼んだのですが、オニオン、チーズ、パティ、レタス、トマト、パンズの構成です。野菜はしっかりフレッシュで、パティはお肉の食感がしっかり残ったタイプハンバーガーです。メニューの写真と違ってがっかりということは全くありません。物価の上がっているアメリカで、このクオリティでチーズバーガーで$2.7とは信じられません。もちろん20ドル払えば、これよりもハイクオアリティの例えばアンガスビーフ、オーガニックベジタブルを使ったハンバーガーが食べられます。しかし、$2.7の価格と満足度の比率で見ると圧倒的にこのハンバーガーのコストパフォマンスは高いです。

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もう一つ売りは、ポテト。農家から直接したポテトを店頭でカットして、揚げたてを提供しています。そして、揚げ油は、100%ひまわり油。マクドナルドは牛脂をブレンドした油を使っているのと比べてもヘルシーな印象を与えています。

味わいは、自宅で揚げたポテト。素朴な味わいで、普段ジャンクなものを食べている人には物足りないと感じられるかもしれません。普段あまりポテトを食べないので、たまにポテトがついてきても全部食べきれない場合が多いですが、これは食べ切れることが出来ました。

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さらに、お客さんをファンにさせる手配りもしっかりしています。

きっちりとクオリティの高い、ハンバーガーとポテトですが、それだけではないお客さんの心をガッチリとつかむ手立てをいくつか打っています。

 

例えば、chiliが無料で食べ放題。ちょっとピリッとした辛さと酸味が箸休めに最適でした。

 

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そして、雨の日は子どもにホットココア無料にしています。これはうれしいですね。

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その他にも、今回は注文しなかったのですが、裏メニューが幾つかあります。

例えば、お肉の数を4枚まで増やせたり、パンズの代わりにレタスを使ったPROTEIN STYLEというものがあったり。また、ポテトにチーズや秘密のソーズがかかったAnimal Style Friesというものも。

店頭でのメニューに乗っていないのですが、それを食べている人を見ると、また次に来たときに調べて食べたくなるのが人間の性。来店率アップに繋げて、更に自分だけのこだわりを追求できるのです。

ホームページでは、Not So Secret Menuとして載っています。

 

 

こうした戦略により、見た目はマクドナルド風ですが、どこの店舗もすごい混雑具合になっています。

 

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