くらしのちえ

良いものは作り手の知恵が詰まっています。選んだもので暮らしはつくられます。そんな暮らしの一部を紹介します。

あずさの座席ランプ、誰の視点か

東京から松本に行くための列車、あずさは全席指定席になった。

それに伴い、今までなかった座席指定のランプが搭載されるようになった。

 

赤、青、黄の信号と同じ色。

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色を見てその座席がどのような状況か分かる工夫なのだが、これがどちらの視点なのかによって混乱する。

 

青は信号だと「進んでよい」。これは座席の意味としては「座ってよい」と直感的には理解する。

赤は信号だと「進んではいけない」。座席としては、「座ってはいけない」と理解できる。

黄色は「注意」。これは、「今後座ってはいけないに変わる」と理解できる。

 

さて、これが座席を予約せずに乗った乗客には混乱を招く。

というのも、直感的には「座ってはいけない」という意味にとれる赤ランプの座席が座席を予約していない人にとって「座ってもよい」という意味だからである。ランプの意味が逆転する。

なぜこのようなランプの色にしたか。

全席指定席になったので、一般的には座席指定をして乗客は乗る場合は多い。そのため、多くの乗客として座席予約者の視点でランプの色を設定したのであろう。座席指定の客が、自分の予約した席に着こうとした際に、赤ランプが点灯していたら、たしかに一瞬あれここに座ってよいのかと思うかもしれない。それで、乗務員に問い合わせたり、混乱したりする客が多く発生することを考えると、それなら、あまり多くない乗客であゆ座席指定のない客が混乱する方がマシということで、この色使いを採用したのではないかと推測した。

 

しかし、ここでより混乱を招かない、ランプ使いはなかったのだろうか。

3色も座席状況を分ける必要はあったか。しかも、信号という、普段からその意味を固定している配色にしてしまわない方法はなかったか。

 

ランプが点灯、ランプが消灯という0、1で、点灯は予約済み、消灯は予約なしという1色のランプが最もシンプルなもの。

これにもう一つ、まもなくその席は予約席になるという意味の表示をつけたくなる理由もわかる。予約のない乗客に、まだ使われてないが、数駅先で予約のある座席にそこまでは座ってもらう方が利便性が高いのでという配慮だ。

しかし、それなら、点滅でも対応できるだろう。

ランプの色というもの一つとっても、その意思決定を考えるとこうすればいいのにと、揺れる車内で考える退屈しのぎになる。

 


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