くらしのちえ

良いものは作り手の知恵が詰まっています。選んだもので暮らしはつくられます。そんな暮らしの一部を紹介します。

味噌漬豆腐とその西洋化

「豆腐百珍」を読んで、作りたいと思ったレシピ、それは・・・

(1)二十七番の「焼豆腐」、(2)七十三番の「味噌漬豆腐」

今回は豆腐百珍、七十三番目の「味噌漬豆腐」を作りました。が、ひょんなことから、もう一品できました。

味噌漬豆腐とその進化

焼豆腐に並んで、作りたかった豆腐の味噌漬け。

仕込んでから3日目。気になって仕方なかった子がついに出来上がりました。

そして、仕上げている最中に見てしまった雑誌のページに触発されました。

豆腐百珍が書かれた江戸時代から約150年の時が過ぎ、豆腐の味噌漬けは進化していました。西洋のオリーブオイルと合体してしまったのです。

ということで、今回は「味噌漬豆腐」とそれをさらにオリーブオイルに漬けた「味噌漬豆腐のオリーブオイル漬け」についてです。

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味噌漬豆腐の材料

・豆腐(今回は型崩れのしにくいもめん豆腐を使用)

・味噌

 

※仕上がりの味は味噌に左右されます。

今回は白味噌を使用。頂き物の若い味噌を使いました。味噌の味で仕上がりが大幅に変わります。塩気が強いタイプではなく、まったりとした塩気と甘さが欲しかったので、少し甘めで塩分が少ない味噌を選びました。

 

味噌漬豆腐の作り方

(1)豆腐の水を切ります。

(朝から重しをして夕方には半分の厚みになっていました)

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(2)表面の水をキッチンペーパーで拭き取り、豆腐の表面に味噌をくっつけてゆきます。

なるべく薄くのばしながら、豆腐のすべての面を覆います。

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(3)豆腐の全面を味噌で覆ったら、キッチンペーパーで包みます。

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(4)ジップロックに入れて冷蔵庫へ。(2〜3日冷蔵庫で寝かせます) 

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ついに迎えた3日目

事前に豆腐の水切りをしっかりしていたので、水分はキッチンペーパー1枚で吸い上げられるほどの量しかでていません。

表面の味噌を落とします。

(味噌の塩分は豆腐に移っています。ほとんど塩気がなくなっていましたが、味噌は後で再利用しました。後述ー「味噌の抜け殻」)

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さあどうなっておりますか。豆腐さん。

白味噌を使ったため、色付きはほとんど変わりません。でも表面はねっとり柔らかくふわっと味噌の香りがします。そして、とても中が滑らかになっているような。

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サイコロくらいの大きさに切ってちょびちょび頂きました。

甘さとまったりした塩気が共存しています。そして滑らか。思った以上に味噌の味が中まで浸透しています。

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 味噌の抜け殻は…

 ちなみに、豆腐を覆っていた味噌は、味噌汁に。もはや味噌の抜け殻。でも、ほんのりと旨味と塩気が残っていました。土鍋に白菜を入れて、味噌の抜け殻をちょこちょこ付けながらしんなりした白菜を頂きました。不思議な味。余すことなくいただいて味噌も成仏できました。素朴なおいしさをありがとう。

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西洋化「味噌漬豆腐のオリーブオイル漬け」

ちょうど味噌漬豆腐を仕込んで2日目だったでしょうか。偶然読んでいた雑誌がブルータスのお取り寄せ特集。

BRUTUS(ブルータス) 2017年 2/1 号[日本一の「お取り寄せ」グランプリ。]

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 こんなに色々な美味しそうなものが沢山ある中で、抜群に目を引いたものが一つ。審査員の誰もが絶賛していたのが、福岡県ラピュタファームの「味噌漬け豆腐のオリーブオイル漬け」だったのです。

laputa-f.shop-pro.jp

 

これはやってみようではないか。

ということで、残った味噌漬豆腐をオリーブオイルに漬けました。

豆腐もまさか、はじめは味噌に漬けられて、今度はオリーブオイルに漬けられるなんて思ってもいなかったことでしょう。どこまで漬ければ気が済むんだい。

でも豆腐は誰にでも馴染んでくれる優しい優しい人柄なのです。こちらも、大ヒットの美味しさでした。

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味噌漬豆腐のオリーブオイル漬けの材料

・味噌漬豆腐

・オリーブオイル

※以下、家にあったハーブ、スパイス3種を使用しました

・ローリエ

・黒胡椒粒

・ローズマリー

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作り方

(1)オリーブオイルとスパイスを鍋に入れ、弱火にかけてオイルに香りを移します。

香りがしてきたら火から下ろして冷まします。

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(2)味噌漬豆腐を1センチ角の大きさにカットします。

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(3)味噌漬け豆腐を瓶に詰めて、オリーブオイルを満たします。

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(4)冷蔵庫で、保存します。(半日から1日で食べごろに)

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半日後 (朝漬け込んで、その晩)に頂きました。

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スパイスの香りとオリーブオイルに包まれた味噌漬豆腐は、別物に変化していました。

チーズのような、ねっとりペースト?さらにちょびちょび食べたくなる旨味があります。スパイスの風味がとてもいい。舌触りもまったりして、これはお酒のあてに抜群です。

 

豆腐と油の相性

そういえば、おいしい濃厚な豆腐は、冷やっこでオリーブオイルと塩で食べることを思い出しました。

さらに、『豆腐百珍』では中国調査へ行った時に食べた冷奴に肝を抜かれたというエピソードがありました。ある店で供された冷奴がとてつもなく美味しかったそうです。そして、その食し方はごま油と塩とネギ。なるほど、豆腐を生んだ中国でも冷奴と油を合わせるのか。

偉大なる豆腐さん。

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豆腐百珍 (とんぼの本)

豆腐百珍 (とんぼの本)

 

 

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