中華料理の味の基準ができるのは、自分が一番食べた中華料理店の味によって作られるかもしれません。子供のころから慣れ親しんだ味。私にとって、それは我が家の隣にある中華料理屋さんでした。
酢豚、ラーメン、エビチリ、チャーハン、天津飯…定番のメニューを他のお店で食べるとき、我が家の隣にあった中華料理屋さんの「物差し」がすっと出てきます。
地元の人の物差しになるような広東料理のお店に長野県松本市で出会いました。
信州・松本の広東料理 驪山(れいざん)
今回初めて訪れた松本の「驪山(れいざん)」は、素材の味が主役のとても繊細な中華料理でした。まさに「滋味」という言葉で表現できます。
地元の方々に愛される中華料理屋さんです。常連の方々の中華料理の味の基準が「驪山(れいざん)」ならば、他の中華料理はどのように映るのだろう。
そんなことを聞きたくなるような、いままでの「中華料理」とは違う、とてもとても奥深い味でした。常連さんはきっとよそで中華料理を食べたなら、またすぐに「驪山(れいざん)」 に戻りたくなることでしょう。
「驪山(れいざん)」を知ったのは数年前。神楽坂の情報誌でふと見た記事がきっかけでその店名がインプットされました。大正時代に驪山のオーナーさんのお祖父さんが広東省から松本に移り住んで、「竹乃屋」という中華料理のお店を開いたことから、驪山の歴史が始まります。池波正太郎の『むかしの味 (新潮文庫)』という本に竹乃屋のお話が出てきます。チャーシューや焼きそばなど、戦前から日本に中華の味を伝えた竹乃屋は地元の人から愛されていたそうです。
竹乃屋は現在は閉店してしまっていますが、お孫さんご夫婦がお祖父さんが残してくれたレシピをもとに40数年前に驪山をオープンしました。竹乃屋の歴史は、驪山に引き継がれています。
そして今年、驪山がブルータス「街の中華料理」特集に紹介されました。
全国誌に掲載されたのは初めてだそうです。お店の奥様が「北海道からお客様がいらっしゃった」と大変、喜んでいらっしゃいました。
店内にいらっしゃる地元のお客様から「すごいね」「よかったね」との声が聞こえ、雑誌掲載の話で盛り上がっていらっしゃいました。とても愛されている中華料理屋さんということが分かります。
予約をして伺ったのですが、駅から歩いて20分ほどかかるにもかかわらず席は埋まっていました。
お店は、信州大学ほど近くの飲食店が居並ぶ一角に有りました。室内は、上質な喫茶店のような雰囲気で、落ち着いた雰囲気で食事が出来ました。
奥様がメニューを丁寧に説明してくださいましたので、たくさんの種類の中から選ぶことができました。
今回頂いた、お料理
・プーアル茶
・前菜盛り合わせ
・酢豚
・焼売
・野菜と鶏肉のスープ(写真を撮り忘れてしまいました)
・天津飯
・自家製の焼きそば
どれも、味付けはあっさりとしており、胃もたれするような料理は全くありませんでした。
12月からは、火鍋など冬のメニューも登場するそうです。
季節ごとの楽しみがあると、また来こようという楽しみが増します。
そして、今回たまたま旅のおともに選んだ本が、「食は広州にあり」でした。
奥深い中華料理の世界、早く読み終えたいという気持ちに駆られます。
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