京都では春夏秋冬という4つの四季ではなく、もっと細分化された季節感を味わえます。冷たいデザートで季節への繊細な感度を感じるにはこちら。
暖簾が6月の爽やかな初夏の風に揺れる大極殿の甘味処「栖園(せいえん)」です。
口当たりの滑らかな寒天を、月ごとに異なるシロップで食べることができます。
4月……桜蜜
5月……抹茶小豆
6月……梅酒蜜
7月……ペパーミント
8月……冷やし飴
9月……ぶどう
10月……栗
11月……柿
12月……黒豆
明治28年(1895)に創業したお店。モダンな雰囲気が漂います。大極殿は2店舗あり、高倉通りの「本店」(※店頭販売のみ)、六角通りにある「六角店」です。六角店に甘味処「「栖園(せいえん)」があります。
実は始め間違って、本店に行ってしまいました。そこでカステラを購入後、甘味処は本店から歩いて5分ほどのこちらにあると教えていただきました。
季節に合わせて暖簾も変わるそうです。初夏の風に涼やかな色の暖簾が気持ち良く揺れています。お店に入る前から、季節感が味わえます。
店頭には涼やかな甘味がずらり。6月は梅酒蜜です。
喫茶室は、有名なカステラ他様々な和菓子が並ぶ店頭を抜けた奥にあります。
11時頃に伺ったので、まだ空いていました。窓際の中庭が見える場所に腰掛けます。
お目当は迷いなく、琥珀流しです。でも他のメニューもどれも美味しそう。
店員さんが冷たい麦茶とおしぼりを運んでくださいました。お水ではなく麦茶をいただけるのが嬉しいです。
琥珀流しを注文すると「梅酒ですので、アルコールが少し入っておりますがよろしいですか?」との確認が。もしアルコールが難しい場合は、他の味で黒糖黒蜜の琥珀流しもご用意しておりますとのこと。細やかに答えられる、選択肢が用意されていることにいいお店だなあと感じます。
中庭の景色を眺めたり天窓から差し込む光を眺めたり。心地の良い空間で待つことしばらく。やってきました、琥珀流し。
直径15センチほどのぽってりしたガラスの器に盛られた琥珀流し。温かい緑茶とともにやってきました。麦茶もいただいて、今度は温かい緑茶が添えてあることに嬉しくなってしまいます。
フルフルした宝石のような寒天。梅酒のシロップがほんのり香ります。
こんなに美味しく頂けるのは細部への心配りのためです。
ガラスの器のしたには、綺麗な紙が敷いてあります。冷たいガラスが水滴でお盆にぺったりつきません。
スプーンは木の葉型のスプーン置きに置かれています。器も小物も惜しみない。琥珀流しのお値段が660円(税込)であることを考えると恐れ入ります。
最後に梅をいただいてごちそうさまでした。
毎月通いたくなるような繊細で驚きのある甘味。実はこの後お寿司を食べに行く予定でした。つるつると喉越し良く、ほんのりと甘い、負担の少ないお菓子。午前中のおやつタイムに最適です。
異なる月にまた来たい。いや、また明日来てもいい。そんな空間と味、おもてなし。
すっかり魅了されてしまいました。
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