崎陽軒のシウマイ弁当。シュウマイ弁当ではなく、シウマイ弁当です。食事時に新幹線に乗ったら、何故か食べたくなってしまう理由を考えました。というのも、このお弁当の中身を紹介するだけでは、充分ではないのです。「とびっきりうまいので持ち帰ってでも食べたい」というお弁当ではないのです。でも、なぜだか惹かれる魅力があるこの弁当について考えてみました。
ポジショニングとしての「新幹線お出かけ弁当」
シウマイ弁当の魅力の秘訣は、「新幹線でお出かけ弁当」の地位を築いていることが一つだと思います。1954年に発売以来、その地位を守っています。
シウマイ弁当を食べるシーンは、主に新幹線など移動のシーンで食べることが多いと思います。こうした場面で食べる思い出と一緒にシウマイ弁当の味が記憶されます。
これって、とてもオトクなポジショニングです。新幹線での移動は、基本的には楽しいもの。特に子供の頃などは、新幹線に乗るだけでワクワクしたものです。こうしたワクワク感とともに味が記憶されます。頻繁に食べるものではないので、特別感も出ます。
おとなになっても、シウマイ弁当を何故か買ってしまうのは、そんな楽しい思い出がしらずしらずに思い出されてしまうからなのかもしれません。
このポジショニングを取っていられるのは、いつ食べても子供の頃の記憶の味ということが必要な要素として挙げられます。 では、発売以来味は変わっていないのでしょうか?
実はちょっとずつ変わっていた中身
シウマイ弁当の現在の中身は、俵型ご飯(小梅、黒胡麻)、「昔ながらのシウマイ」、鮪の照り焼、かまぼこ、鶏唐揚げ、玉子焼き、筍煮、あんず、切り昆布&千切り生姜。
その中身は、実は変化しています。
1954年の発売当時は、「シウマイ弁当」はこんな内容だったそうです。手握りのシウマイ4個、エビフライ、ブリの照焼、玉子焼き、蒲鉾、福神漬け、昆布佃煮、筍煮、そして御飯(ごまと小梅はない)だそうです。
シウマイ弁当 ニッポン・ロングセラー考 - COMZINE by nttコムウェア
によりますと、
・シウマイは、4個→5個(1974年)
・揚げ物がエビフライ→ホタテフライ→なし
・しいたけの甘露煮(1988〜1997年)
・ブリの照焼→マグロの照焼(1963年〜)
・鶏唐揚げ(1992年〜)
・福神漬(〜1981年)
なのだそうです。
それでも、基本の構成は同じ。
美味しさは、たんに味だけではありません。どんなときに食べたかという状況、更に昔食べた記憶も味に大きな影響をします。歴史のあるこのシウマイ弁当はとても強いのです。
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