自分の中でテーマを持って外食すると、外食の経験が教材になります。
神楽坂で夕食の日。ちょうど器を探し求めていたタイミングでもあったので「和食にあう器」をテーマとしました。
お皿の使い方、色、質感、盛り付け方。外からの刺激は糧になります。どのお店でも、自分の暮らしに取り入れられるものがある。お店でどんな事が嬉しかったか、心地よかったか、家での食事にも取り入れられるとそれはただの外食ではなく、自分のお手本や教材になります。
今回伺ったのは神楽坂の「泥味亭(どろみてい)」。じんわりと染み出すような温かさ。
今日はお茶を注文し、先出しを合わせて5品をいただきました。どんな器に盛られて、くるのだろう。テーマがあるだけで、お料理以外にも楽しみの幅が増幅します。
なぜこの器が選ばれたか、思い思いに箸を進めるのも楽しいものです。
さて「和食に合う器」をテーマに食べ進めていきましょう。ただ自分が感じたままに、いいなあと思ったことを少しだけ深堀します。
先出し:「きゅうりのゴマだれかけ、きんぴらごぼう」
得たヒント:2つを盛り合わせる。深めの丸皿の使い方。少しだけ中央にポンと盛る。
「気仙沼の鰹の刺身」
得たヒント:赤身の魚に黒字のコントラスト。ぼってりとした力強い皿と厚めに切った鰹の強さ。
ゴーヤ味噌冷奴
得たヒント:豆腐とお皿の質感が類似しているためゴーヤ味噌が映える。リズムのある盛り付けに適した長皿。
イワシのトマト南蛮
得たヒント:皿の模様と料理の模様が「渦」となってリンク。同一の流れがある心地よさ。
秋刀魚の塩焼き
得たヒント:頭がついたまるまる一尾の秋刀魚。まだ生命力を感じる姿には動きのある模様が合う。
おちょこ:自分で選べる楽しさ。
帰りは、「紀の善」で豆かんを食べました。閉店30分前の店内。せわしなさを感じさせないゆっくりとした空気が流れています。
お茶と塩せんべいで待ちます。
年期の入った茶托に惹かれます。塩せんべいに敷かれた紙と竹かご、こうやって出てくるとおせんべい一枚もありがたい。
豆だらけの豆かん。下に敷き詰められた寒天が見えないくらいに豆が盛られています。黒蜜が2つ付いてきます。
こんもりと器から溢れるくらいに盛ってあると「たくさん」ある事の喜びが増します。
豆がホクホクで、寒天は程よい歯ごたえ。
楽しい2時間のお勉強。テーマがあると「おいしい」だけではなく、少し味わいかたに角度がつきました。