ティンカリングという言葉を知っていますか?
ティンカリング(thinkering)とは、試行錯誤をしながら作り上げるということを指す言葉だそうです。thinkerの語源は、鋳掛け屋という意味です。13世紀、スコットランドやイングランドでは、旅をしながら鋳掛けを生業としていた人たちがいたそうです。彼らはあり合わせのものでなんとかするという工夫をする人たちでした。転じて、thinkeringとは、思いつくままに知恵を絞り工夫をする活動のことを指すようになりました。
ものづくりがより簡単にできるようになったといわれる、メイカームーブメントの中で、教育においても、つくる(make)を取り入れようという動きが出ているそうです。
作ることで学ぶ ―Makerを育てる新しい教育のメソッド (Make:Japan Books)
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この時、すごく重要なマインドセットとなるものがティンカリングです。
何かものづくりをしようと考えるとき、考えばかりが先行してしまって、何も手を動かさない。あるいは、あの道具がないからいまはこれが作れないという不安要素によって、行動ができないことがあると思います。
こうした時に、失敗するリスクをとって、自分のアイデアで遊んでみる実験しようよ。自分を信じていいんだよという肯定的なメッセージ、それがティンカリングをしようとうことなのです。
これまで私たちは学校では先生に一つの正解を伝授されるというスタイルで学んできました。でも、先生から教えられる正解を知ること以上に、世の中は正解は一つではないし、正解に至るまでに、自分の試行錯誤で失敗しても実験してみるんだというマインドをもつことがよっぽど重要です。
好奇心に導かれて、やり方もわからない事柄に挑戦して遊んでみることで、自分の自信につながるし、そこに工夫する力が生まれるのです。ティンカリングはやればやるほどできるようになります。大人になってもティンカリングはとても重要だし、大人になっても伸ばせる力なように思います。
例えば料理一つ取っても、失敗するリスクがあるような挑戦的なものを今あるもので作ってみること、そんなこともティンカリングの一つです。失敗しても問題ありません。むしろ失敗したからこそわかる、次の工夫の余地があるのです。
大人になるとリスクを取りたくないので、やり方のわからないものをやろうという気持ちがどんどん少なくなってきます。そんな生き方になる前に、ティンカリングをいろいろな場面に意識的に取り入れたいものです。
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