最高の人生の見つけ方(英語タイトルはThe Bucket List) をみた。
ガンに侵され余命宣告を受けた2人の男が、死ぬまでにしたいことをリスト化する、そしてそれを実現していくという映画である。
死ぬまでにしたいリストを作ることをバケット・リスト(bucket list)という。
死ぬこと(to die)をスラングでkick the bucketという。自ら死を選ぶ最後の最後でバケツをけるということなのだそうである。死ぬ前に(before kick the bucket)にやりたいことをリスト化することを、bucket listと呼ぶ。映画では、棺桶リストと翻訳されていた。
バケット・リストを書く作業はとても楽しい。出来るかどうかあまり考えず、たくさん自分のやりたいことを書き出すとワクワクする。
たくさん書き出すと、すぐにできること(例えば、親に電話をかける)、お金や時間があれば出来ること(例えば、エジプトでピラミットに登る)、努力が必要なこと(例えば、小説家になる)など、さまざまなレベル感の希望項目が出来あがる。
せっかく書いたリストは書いて満足して終わりだともったいない。
バケット・リストを実行に移すのに重要なのは、すぐ出来ることをやってしまうことだ。親に電話をかけることは電話があればすぐ出来る。親との関係など状況によっては、ハードルがある場合があるが、簡単にできるのであれば、その結果、ちょっと嬉しい達成感を得ることが出来る。その達成感が次のちょっとハードルがある項目を達成するための原動力になる。そうやって次の行動のモチベーションへと変え、リストを実行していくことで生活が充実する。
映画のように余命宣告をされた場合とは違い、普通は自分の人生がどれだけ残っているかはわからない。努力が必要なことは、リストを書いて終わりになりがちである。リストを作って終わりにならないようにモチベーションを維持して、ちょっとずつ難しかったり、努力が必要な項目を達成していく事ができればバケット・リストは「やったことリスト」に移すことが出来る。この「やったことリスト」の充実ができれば、自分の人生が短かったと嘆く事にならなくてすむだろう。
映画を見ながら、セネカの文章を思い出した。人生は短いという事実から逃れるためには、現在の時間を「良き過去」を残すのに使う。 享楽的な生活は良き過去にはならない。自分のやるべきことを見定めそこの時間を使う。
過去は運命から見放された時間である。未来は不確実だが、過去は既に起こったこと、この時間は誰にも奪うことはできず、変えることも出来ない。どれほど自分にとって良き過去が蓄積しているか、良き過去がたくさんあれば人生は長くなるとセネカはいう。
映画の内容は愉快で笑いあり、感動的であり、途中しんみりと、でもそれほど深刻にならずにリラックスしてみていられるいい映画だったが、見終えて改めて自分の人生について考えさせられた。
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