今読んでいるのは、
『教養としての社会保障』。
「年金を改革し、介護保険をつくった異能の元厚労官僚による憂国の書、書き下ろし 」という帯の触れ込みの通り、元官僚がマクロ的な視点から社会保障制度を極めてわかりやすく解説してます。
少子高齢化、人口減少、労働力不足、世代間格差によってもたらされるマクロ的事象がマスコミによく取り上げられます。例えば、保活。働くことを希望する母親にとって、保育園に入ることが出来ないことで、女性の社会復帰が出来ないことが様々取り上げられています。
私たちのひとりの生活する目線として、この問題を捉えると、保育園を増やしてほしいとなるのですが、そうはなかなかいかない。
なぜ、このような問題が生じるか、その背景を見通すために、社会保障制度全体を理解することが必要です。そのために、本書を読み始めたのですが、極めて読みやすく、理解しやすいものでした。
本書で解説される俯瞰的な視点からすると、日本の制度のすごさを改めて考えさせられます。
足元で生じている様々なマクロな問題はあるのですが、日本の社会保障制度の全体像を見ると、日本ほど住みやすい社会保障制度を持つ国はないのではと、思いました。
日本は、病気になっても、どんな病院でも、最先端の治療を安価に通院できるのです。民間の医療保険に入らなくてもよいので、所得の差は関係ありません。
そして、働けなくなっても、年金を受給できるわけです。
どんな所得の世帯でも、皆平等に生きていけるセーフティーネットとしての社会保障制度が整備されているし、もちろん不足はあるのですが、皆保険、皆年金とは平等の精神が制度全体に貫いていることであり、これはなかなか他国では築くことが難しい制度だったのです。
今後日本が抱えている、人口減少、少子高齢化という課題は他国の経験したことのない、しかも今後多くの国が経験することになる先進的な課題です。この問題は、今を生きる日本人がリアルに解決していかなければならないものです。
ひとつひとつのマクロな事象に過敏反応することなく、また必要以上に悲観的にならず、俯瞰的なものの見方をしたい今まさに最適な本でした。
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