くらしのちえ

良いものは作り手の知恵が詰まっています。選んだもので暮らしはつくられます。そんな暮らしの一部を紹介します。

幸福に左右するもの

 ショーペンハウアーの『幸福について』を読んでいる。抽象的な内容だが、なんだかストンと腑に落ちる。

 

幸福について (光文社古典新訳文庫)

幸福について (光文社古典新訳文庫)

 

 

幸福についてという難しいテーマを、非常にシンプルな構造で論じている。

次の3つが人間の幸福に影響を与える。

1.その人は何者である

2.その人は何を持っているか

3.いかなるイメージ、表象・印象を与えるか

 

その中で、1が最も人間の幸福に影響する。なんとなれば、2、3は自分の外側のものだからである。

 

それで、1は「その人自身に常にそなわっているものは何か」に言い換えることができ、すなわち、これはその人にそなわっている個性が幸福に最も左右する。

 

人間には様々な出来事が降りかかるが、これを外的な刺激と捉えると、それに対する反応は、人間自身が行う。いわば感覚器として人間が左右するので、その人間が陽気な気質であれば、出来事は陽気に捉えられ、陰気な気質であれば、陰気に捉えられる。

 

陽気さは、富ほど役に立たないものはなく、健康ほど役に立つものはない。

 

ショーペンハウアーは「特に土地を耕す階級の人は陽気で満ち足りた顔をし、裕福な上流階級は不機嫌な顔をしている」という。

 

だから「完璧な健康を高度に保ち、そこから陽気さが花のごとく吹きこぼれるようにつとめよう」と勧める。

 

「客観的に現実がいかなる事態なのか」ではなく、「私たちにとっていかなる事態なのか、私たちが事態をどう把握したか」が私たちを幸福にしたり、不幸にしたりするのである。

 

 

 

 

sponsore links
 

 

---------------------------

「くらしのちえ」を気に入っていただけた方は読者ボタンを押していただければ最新の記事がご覧いただけます。

twitterでブログの最新情報やアイデアを発信しています。フォローいただければ、最新の情報をお届けします。

 --------------------------


sponsored links