どの分野のことを自分が学ぶべきか考えるとき、「自分の知らない重要な領域がある」ということを知っていると、選択肢の幅が広がります。
「自分が知っていて、重要である」という領域のことを多くの人は勉強しようとします。この領域は目に見えるため、着手しやすいのです。確かに、そのタイミングでそのことが重要なのは自分で体感している分、モチベーションも湧きやすいでしょう。
でも、本当に自分にとって重要なことは、自分は知らないということが往往にしてあります。長期的に俯瞰してみて、自分の経験していないことはそもそも知らないので、経験外のことに対して備えることはできないのです。
そのとき、「自分は知らない重要な領域がある」という前提を常に頭の片隅に入れておくと、行動が変わります。自分が重要と思えない中に、もしかしたら重要なことが隠されているかもしれないということで注意が向きます。だから、あらゆることに対して自分とは関係ないからと切り捨てたりはしなくなります。自分が知らないことに対して、他人のアドバイスを受け入れやすくなったり、先人から学ぼうとすることができるようになるのです。
「自分は知らない重要な領域がある」と知っていることはちょっとしたことと思われます。しかし、選択肢の幅を広げるときに持っておかねばならないOSの一つだと感じます。