ものを少なくしたい。ものが溢れる現代だからこそ、こうした考えがうまれ、また多くの人に広がっている考えです。
そのなかで、ものを少なくするには、入ってくるものを断り、いらないものを捨て、ものへの執着をなくす、離れるという、いわゆる断捨離という考えがあります
しかし、ものへの執着をなくすというところに、もしかしたら逆なのではとも感じます。
ものを少なくして、このものだけあれば、生きていけるということは、少数のものへの徹底的な執着の上に成り立つのではという考えです。
つまり、大して使わなかったり、特定の用途しか使えないけど、保険のため多めに持っているものを排除していくためには、自分にとって本当に必要なもの、末長く使えるものを見定める力が必要なのです。
そうした、ものを見定める力は、ものへの執着がないとつけることができないと思うのです。色々なものを手に入れ、これはいるもの、これはいらないものと自分の中で落とし込むことを繰り返さなければつかない力なのではないでしょうか。
少ないもので暮らすためには、逆説的にものを多く持っていないといけない。どれが自分にとって必要なのか、どんなものが好みかを知るためには、たくさんのものを買い、所有する必要があるからです。ものに執着して、自分にとってこれだけあればいいやという形で落ち着くためには、相当の鍛錬が求められるのです。