おいしいは「口」ではなく「頭」で感じます。「おいしい」。口と頭が連動しているのは「食べている間」。そして最高潮は一口目です。瞬時においしい瞬間は消えてしまいます。
でも、おいしかった記憶は頭にストーリーとして長く長く刻まれています。記憶のエッセンスとなるのは、一緒に食べた人、自分のそのときの気持ち、食べたものの姿形、印象、環境、お店の様子、風景…など目で見て感じたもの。
「おいしい」に対して、味はもちろん大事な要素です。でも、そのあとの「おいしかった」記憶を手助けしてくれるエッセンスは味以外のもの。それが沢山あれば、おいしいものに沢山出会えるかもしれません。
おいしい記憶のストーリーは自分で作る。そして、そのストーリーを多方面から手助けしてくれる術を持っているお店こそ、いいお店なのかもしれません。
おいしいの記憶を手助けしてくれるものが「こころのこもったもの」
イナムラショウゾウのケーキを食べながらそんなことを思いました。
おいしい記憶を手助けしてくれました。お店に入ってから、食べるまでをとても思いやっていただいていることに気付きました。
不特定多数のお客様のためのケーキなのに、「あなたのために」と心をこめて丁寧に作られているような気持ちになりました。甘いものが薬になる、ケーキが栄養になりました。
店内は写真が取れませんが、買ってきたケーキの写真とともに「心のこもった」と感じたことをお伝えします。
シェフが第一線で職人としてケーキを作る姿
ガラス張りの調理室でいつも第一線に立ってケーキを作る稲村さんに職人の魂を感じます。パティシエ イナムラ ショウゾウとショコラティエ イナムラショウゾウの二店舗のみ展開しているのですが、稲村さんが自分でバンを運転して配達をしている姿を見たことがあります。これだけ有名なシェフなのにケーキ調理の最前線に立つつ、しかも働く人たちの教育もきちんと目を届かせていることがお店の雰囲気から感じます。1952年生まれ64歳とのことですが、とてもその年齢には見えないほど、生き生きと仕事をしていることがわかります。
お店の接客と外までのお見送り
お店で働くスタッフの方の丁寧な梱包と購入後のお見送りまで含めて、サービス全体で心配りを感じます。それほど広くない店舗ながら、サービススタッフの数が3〜4名と多く、お店の繁盛具合とサービス体制の重視の姿勢が伺えます。
店内にセルフサービスのレモネードが用意
店内にはセルフサービスのレモネードが用意されています。お水かと思って飲むと、レモネードの酸っぱさと控えめな甘さを感じ、少しの驚きと元気をもらえます。これは想像なのですが、店舗がどこの駅からもやや遠く歩いて来店した人が多そうな印象なので、歩いてきた人向けに一口の清涼感を感じてもらうためのお店の心配りなのではと思います。
箱から取り出しやすい親切な設計
ケーキが崩れない、倒れないように丁寧に梱包
ケーキの底のシートや側面の透明ファイルが最小限で剥がしやすい
ハレの日ばかりでなく、悲しいときに食べるケーキ「涙のしずく」がある
レモンの爽やかな酸っぱさとチョコレートの甘さで一口食べると元気になります。
ケーキが切りやすい
あれもこれも食べたいという欲張りなお客さんのためなのかわかりませんが、カットしても崩れず切りやすいです。
手土産の焼き菓子もパッケージ、味、心配りに手抜かりなし
手土産用の日持ちする焼き菓子には、パウンドケーキやブールドネージュ等があります。種類は多くありませんが、丹精込めて作られていることがわかります。パウンドケーキのサイズには、1〜2日で食べきれるようにサイズは小さめに作られています。
最後の一口までじっくり味わって食べたくなる
ちょっとずつフォークを進めて、最後の一口までじっくり味わいたい気持ちになります。
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