有次の雪平鍋の取っ手がとれた。
京都へ行きたい。有次雪平鍋の修理に。
我が家の愛用雪平鍋の取っ手がグラつき始めて数ヶ月。ずっとだましだまし使ってきました。そしてようやく実現しました。鍋の修理にいざ出陣。
いくらかかるのか、どれくらいの時間がかかるのか。全く予備知識なしでしたが、ひとまず持っていけば何とかなるか。
そんな軽い気持ちで鍋をバックに入れて新幹線に乗り込みました。まさか鍋を抱えて新幹線に乗るとは。「今までよくがんばったね、これから新しくなるからね」と急に鍋へのいたわりの気持ちが。
目指すは錦市場。有次は9時から営業しております。
すでに店内はお客さんで賑やか。そして、黙々と仕事をする職人さん。
老舗なのに、ピンと張りつめた気配はありません。とてもおおらかな空気を感じます。
鍋をバックから取り出しながら「鍋の取っ手が取れたので修理をお願いします」とレジの女性に声をかけると、
「かしこまりました、少しお待ちいただきますが」
「どれくらいですか?」
「職人に確認します」と言ってお店の奥へ。
「10分ほどお待ちいただきます」
お店をゆっくり眺めていると、あっという間に出来上がりました。奥からでてきた、生まれ変わった鍋。
まっさらな木、しっかり止められた金具。
これでもう安心して使い続けられます。
お支払いは?「370円」です。ひゃあびっくり、こんなにお安いのですか。
使い続けて4年、記念すべき修理の第1回目。
修理しながら使う経験、これを積み重ねると愛着が増します。
そして、安心してずっと使い続けられます。有次の歴史は450年あまり。これからも伝統ある老舗として残り続けるだろうから。
鍋の取っ手が取れた、だから「そうだ京都行こう」。こんな日常から派生した旅こそ面白い。そう思った京都の旅でした。
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