おいしいもの、歴史あるものが詰まった京都。 お店であちこち食べるのもいいけれど、普段暮らして食べるものを食べる。そんな旅をしよう。京都のものをお持ち帰りして食べる。生活で使うものを専門店で買ってみよう。そう思って出かけた2泊3日の旅。
朝、9時半に京都に着き、ホテルへ一度荷物を預けて手ぶらになります。落ち着いた配色の阪急電車に乗って向かいます。
昼食は「かね井」へ
そして、まずは蕎麦屋さんで腹ごしらえ。さらりと軽く食べられるのが一番。 外食するときは、「素材がおいしい。器がいい。空間がいい。」そんな場所に行くととても満たされ、自分の暮らしのお手本そして刺激になります。どこに心を配っているか。お店の人の思いを感じられるお店が勉強になります。
今回は知人に教えてもらった「かね井」という蕎麦屋さんへ。 開店前から並ぶと聞き、一番乗りで向かいました。予約は受け付けていないので、早くから並べば美味しいお蕎麦が食べられます。
少し早めに着いたので周辺のお店を回ります。紙に関する工房が近くにあり、興味深い。かみ添、夢一人(日本の伝統工芸「一閑張」のお店)
11時半にお店が空きました。奥に庭が見え、よく風の通る店内。広々とした玄関で靴を脱いであがります。照明が明るすぎず、心がストンと落ち着く。他の方の話し声も遠くに聞こえるような。ゆったりとした気持ちでお蕎麦を待ちます。
おしぼりと冷たいお水をいただきました。温かいおしぼりにほっと一息。とても丁寧に迎えていただきました。 お箸の先には和紙が巻かれ、清潔感を感じます。
和紙を箸からすっと外して、箸を準備する。この儀式のような紙を外す行為に「いまからおいしいものを頂くのだな」という気持ちが高まります。 粗挽き蕎麦、ざる蕎麦、豆腐よう、蕎麦味噌、瓶ビールを注文。
ビールがあげた蕎麦と一緒にやってきました。スッと身の引き締まったグラスが登場。しっかり冷やされて蒸し暑さが急に涼みます。おつまみにはわさびの醤油漬け。
丸く薄切りにしたわさび。この歯ごたえ、面白い。
お塩の入った素焼きの荒々しい器。お塩を入れるにはこれくらいの素朴な器があうのだなあと思い、待っていると蕎麦味噌が登場。蕎麦味噌はネギとカツオ出汁が効いており、なめらか。焦げたところが口に入るとその香ばしさと蕎麦の味がサクッとあたり、口にじんわりと広がってきます。ああ、おいしいなあ。
豆腐ようは沖縄のものとのことで、これまたちびりちびりとつまむにはいい。汗で塩分が抜けた体に美味しくいただきました。
そして蕎麦の登場。細く丁寧に切られたお蕎麦。よく冷えて、水切りがしっかりしてあってスルスルと体にはいります。 わさびがそれぞれのテーブルに1本いただけるのも嬉しい。 新鮮な薬味は何より嬉しい。そして、わさびを擦りながら食べる楽しさ。外食していても、自分でできる行為が加わると食事がさらに楽しい。
粗挽き蕎麦は塩がよく合います。玄米ご飯のようなものと思っています。のどごしではなく、口の中で力強くかみしめてこそおいしい。それにはつゆよりも最後まで口の中で混ざり合う塩が合う。わさびと塩をつけながら、箸を置きつつゆっくりかつ力強くと咀嚼します。そうすれば蕎麦の甘味がじわりじわりとやってきます。塩はその甘味を引き立ててくれます。
ゆっくりと味わいながら、最後に蕎麦湯でご馳走様。温かい白濁した蕎麦湯が最後をすべて丸く収めてくれます。 これから身軽に歩ける丁度いい量。お蕎麦は軽くていいですね。
大徳寺方面へ歩く
さて、これから大徳寺方面を目指して歩きます。その前にお店の近くにある神社に寄りました。
森の中にある少し小高い山にある建勲神社。 木々の重なる道は、ぐっと気温が下がり湿度が高い別世界。暑さがふっと和らぎ、空気がお腹の中にまで入ってきます。気持ちいい。
創業1000年以上のあぶり餅屋に到着
途中雨に打たれながらあぶり餅屋に到着。向に2軒ならんでいます。
暑さと雨に打たれて少し消耗したからだに、あぶり餅がおいしいこと。ほんのり甘い味噌だれと黄な粉の香ばしさをもぐもぐしながら1000年の歴史をお腹で感じます。
そしてお茶で一服。
時間がストップしたようにぼおっとして過ごしました。お店の人の動きやお客さんの行き来、人の景色を追いながら。
休憩した後は、大徳寺周辺を歩きました。
骨董屋の集まる寺町通りへ
大徳寺の中を抜けて、次は夕食の調達へ入ります。 その後、骨董屋さんが多い寺町通りへ向かいます。末廣、一保堂、村上開新堂など老舗が並ぶ楽しい通りです。
気に入った器があれば購入してホテルでの夕食に使う楽しみ。祝日はお休みのお店が多く残念でしたが、「大吉」にておちょこを購入。
錦市場へ移動
前回もお休みだった村上開新堂は今日もお休み。またの楽しみにと思い、向かうは錦市場。薬味おろしを見に有次へ。
おろし金は、大中小の大きさがありました。少し思っていたものと違ったので購入はやめて、今回は魚の骨抜きを購入。先がピタリと重なる気持ちのいい仕事がされた骨抜き。魚料理の道具、いいものに出会えて嬉しい。
錦市場では夜のお惣菜を調達。思い思いに好きなものを買いました。 万願寺唐辛子の塩昆布和え、ナスとキュウリの浅漬け、湯葉とキノコの炊いたん、鰻の肝焼き、稚鮎の佃煮。お目当ての天然鮎の塩焼きはなく断念。天然物はお店へ行ってしまうそうです。
京都のおばんざいが並ぶ「井上」 こちらで3品購入。
錦市場を抜けたあとは、もう一軒骨董屋さんへ。尾杉商店という骨董屋さんでしばらく見せて頂き、菓子皿を購入。木の塗り物で軽くて持ち運びが便利。陶器のように扱いに慎重にならずによいので、これは旅のお供にこれからも使えそう。早速今日の夕食の小皿に使おうと楽しみです。
大丸百貨店で豆腐を
最後に大丸百貨店に寄って森嘉の豆腐を購入する計画でしたが残念、売り切れ。午前中には売り切れてしまったそうで。夏限定のからし豆腐を食べて見たかったのですが、今回はそのお隣に並んでいた入山豆腐を購入。
鮎が買えずにいたので、メインのおかずがまだない。と思っていたら551蓬莱の行列発見。地元の皆様は次々にシュウマイと肉団子を注文しているではありませんか。ちょうど、関東には551は出店しない主義を知ったため、関西でしか食べられない味。となり、こちらでシュウマイと肉団子を購入。シュウマイ6個で390円、肉団子10個入りで300円。なんてコストパフォーマンス。次から次に売れて行くのがすごい。
そのあとビールとトマトとスイカを買ってホテルへ戻りました。
お風呂を済ませて、パジャマになってもうスッキリ。あとは寝るだけの体制になる心地よさ。ああ、今日もいい一日だった。お店で食べると帰りは電車で、そのあとお風呂に入って・・・と少し慌ただしいですが、ホテルで宴はゆっくりご飯が食べられてすぐ寝られる。最高です。 ホテルで白いお皿を借りて、今日買った器を小鉢に。お酒はおちょこに。いろいろなものが集まって今日の食卓が完成。 楽しい光景です。
いただきます。中華、和食いろいろな味を楽しみました。歩き回って疲れた体に箸が進み、スイカを食べてそのまま朝までぐっすり。8時には就寝だったでしょうか。ああよく寝た。スッキリ寝て次の日に備えます。
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