商標「肥後千代田丸」、ひごちよだまる
すごい名前のナイフです。これは、父の少年時代の必需品だったそうです。一人1本は携えていたそう。鉛筆を削ったり、山に登って、鳥かごを作ったり、浜で小さな魚を釣って捌いて焼いたり。これを見ると思い出が一気に溢れ出すそうです。
なんでもこのナイフ1本で、アイディアをひねり出して工夫して遊ぶ楽しさがあったそう。今の時代だとこんなものを携帯していると大変なことになるねと笑っていました。
私も久しくその存在を忘れていました。
大人になってあらためて眺めて見ると、その武士らしい姿がとても良い。世界の色々な携帯用ナイフを見たけれども、際立ってシンプルな作りです。作りがしっかりしているので、りんごも簡単に4等分できます。
少し刃の厚みがあるので皮を薄く剥くのはやや困難ですが、汚れたらさっと水で洗って拭き取ります。色々なナイフがあるけれど、薄くてここまでシンプルな作りはないかもしれません。
名前の由来
あらためてこんな風に「肥後」と名前がつくので、てっきり熊本のものかと思っていました。でもあらためて調べてみるとそうではありませんでした。
まずは、こういった形式のナイフの総称として「肥後守(ひごのかみ)」が使用されています。しかし、もとはある特定の商品名だったのです。
肥後守(ひごのかみ)は日本で戦前から使われている簡易折りたたみ式刃物(ナイフ)。登録商標であり特定の製品の名称であるが、同形状のナイフの総称として呼称されることが多いそうです。肥後守(ひごのかみ)は兵庫県三木市にある永尾駒製作所製造の登録商標。(ウィキペディアより)
「肥後守」の名前の由来。どうして肥後がつくのか?
明治27年ごろ金物問屋『重松太三郎氏』が鹿児島から持ち帰ったナイフを元に製品を改良。当時取引先の多くが九州熊本だったことから名前を『肥後守ナイフ』と称し販売したことにより大ヒットしました。
肥後千代田丸は、このような商標の問題を避けるために作ったもののようです。
「ナイフがあればなんでもできる」と少年たちが夢中になって自然の中で遊んだ景色が思い浮かびます。
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